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在留カードの期限切れとは
在留カードには在留期間の満了日が記載されており、この日を過ぎると原則として不法滞在(オーバーステイ)の状態になります。
不法滞在は入管法違反であり、最悪の場合、退去強制や再入国禁止(5年〜10年)の処分を受ける可能性があります。
期限切れ前に申請済みの場合(特例期間)
在留期間の満了日以前に更新申請を行っていた場合、結果が出るまでの間は特例期間として合法的に日本に滞在できます。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 特例期間の長さ | 在留期間満了日から2ヶ月間 |
| 適用条件 | 在留期間満了前に更新申請を行っていること |
| 就労の可否 | 従前の在留資格の活動が可能 |
| 特例期間中の出国 | みなし再入国許可で出国可能だが注意が必要 |
特例期間中は在留カードの裏面に「在留期間更新許可申請中」のスタンプが押されます。このスタンプがあれば、在留期間が過ぎても合法的に滞在・就労できます。
期限を完全に過ぎてしまった場合
更新申請をしないまま在留期間が過ぎてしまった場合は、速やかに対応する必要があります。
超過期間が短い場合(数日〜数週間)
すぐに最寄りの出入国在留管理局に出向き、事情を説明しましょう。正当な理由(病気、災害等)がある場合は、在留特別許可が認められる可能性があります。
超過期間が長い場合
弁護士や行政書士などの専門家に相談することを強くおすすめします。自主的に入管に出頭する「出頭申告」を行うことで、身体拘束を受けずに手続きが進む場合があります。
オーバーステイを回避するための対策
- 在留期限の3ヶ月前にアラート設定:スマートフォンやカレンダーアプリで通知設定
- 更新時期の年間カレンダー作成:外国人社員全員分の在留期限を一覧管理
- 更新手続きチェックリストの活用:必要書類を事前にリスト化
- 専門家(行政書士等)への委託:更新手続きをプロに任せて確実に対応
企業が取るべき緊急対応
外国人社員の在留カード期限切れが発覚した場合、企業は以下の対応を取ってください。
Step 1:就労を一時停止
在留資格のない状態での就労は、企業側にも「不法就労助長罪」(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)のリスクがあります。まず就労を停止し、状況を確認します。
Step 2:本人と面談
期限切れの原因を確認し、今後の対応方針を本人と話し合います。
Step 3:専門家に相談
入管手続きに詳しい行政書士や弁護士に相談し、適切な対応方法を確認します。
Step 4:入管への対応
専門家のアドバイスのもと、速やかに入管への申請・届出を行います。
再発防止のための管理体制構築
在留カードの期限切れは、適切な管理体制があれば100%防げる問題です。
- HRシステムへの在留期限登録:人事管理システムに在留期限を登録し、自動アラートを設定
- 定期的な在留カードの確認:3ヶ月に1回、全外国人社員の在留カードを確認
- 担当者の明確化:在留管理の責任者を明確にし、属人化を防止
- 外部サービスの活用:在留管理サービスや専門家への委託で確実な管理を実現
期限切れ後のビザ再取得手続き
在留カードの期限が完全に切れてしまい、特例期間も過ぎた場合、不法滞在(オーバーステイ)の状態となります。この場合の対処法を解説します。
出国命令制度の活用
自ら出頭した場合、一定の条件を満たせば「出国命令」として扱われ、入国禁止期間が通常の5年から1年に短縮されます。条件は以下の通りです。
- 自ら入国管理局に出頭すること
- 不法残留以外の退去強制事由に該当しないこと
- 過去に退去強制や出国命令を受けていないこと
- 速やかに出国する意思があること
在留特別許可の申請
日本人の配偶者がいる場合や、日本での生活基盤が確立している場合など、特別な事情がある場合は「在留特別許可」が認められるケースもあります。ただし、認められるかどうかは個別の事情によるため、早急に行政書士や弁護士に相談してください。
いずれの場合も、期限切れに気づいた時点で速やかに行動することが最も重要です。放置すればするほど状況は悪化します。
企業担当者が期限管理をするための仕組み
在留カードの期限切れを防ぐためには、企業側での管理体制が不可欠です。以下の仕組みを導入しましょう。
管理台帳の作成
外国人社員ごとに以下の情報を一覧で管理する台帳を作成します。
- 氏名・在留カード番号
- 在留資格の種類
- 在留期間の満了日
- 更新申請の予定日(満了の3ヶ月前)
- 申請状況(未着手→申請中→許可済み)
アラート設定のすすめ
満了日の3ヶ月前・2ヶ月前・1ヶ月前にアラートを設定し、段階的にリマインドする仕組みが効果的です。Googleカレンダーやタスク管理ツールを活用すれば、低コストで導入できます。
定期的な在留カード確認
四半期に一度、全外国人社員の在留カードの有効期限を確認する運用を取り入れましょう。厚生労働省の「外国人雇用状況届出」の提出タイミング(離職時・採用時)に合わせて確認すると効率的です。
特例期間中にできること・できないこと
在留期間満了日までに更新申請を行った場合、審査結果が出るまでの間は「特例期間」として在留が認められます。ただし、この期間中にはいくつかの制限があります。
できること
- 従来通りの就労:申請前と同じ在留資格の範囲内で働くことが可能
- 健康保険・年金の継続:社会保険の被保険者資格は維持されます
- 銀行口座の利用:既存の口座は引き続き使用可能
- 在留カードの提示:裏面に「申請中」のスタンプが押され、有効な身分証明として使えます
できないこと
- 海外渡航:特例期間中に出国すると、みなし再入国許可が適用されず再入国できなくなるリスクがあります
- 在留資格の変更:更新審査中に別の在留資格への変更申請はできません
- 新規の口座開設:金融機関によっては、在留カードの期限が切れていると口座開設を断られるケースがあります
特例期間は最長2ヶ月ですが、審査に時間がかかる場合はさらに延長されることもあります。申請受理後に届く「申請受付票」は大切に保管してください。
よくある質問
A. 即退去強制ではありません。ただし不法滞在の状態になるため、速やかに入管に相談する必要があります。自主的な出頭や正当な理由がある場合は、在留特別許可が認められるケースもあります。
A. 特例期間中は在留カードの裏面に申請受付のスタンプが押されており、これが有効な身分証明となります。必要に応じて、入管で「特例期間中」であることの証明を受けることもできます。
A. 企業には外国人の在留資格を確認する義務があります。不法就労と知りながら(または確認を怠って)就労させた場合、「不法就労助長罪」として3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。
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