技能実習と特定技能の違いを徹底比較|
制度・在留期間・転職可否・費用を解説

目次

  1. 技能実習制度と特定技能制度の概要
  2. 技能実習と特定技能の違い【一覧比較表】
  3. 在留期間・更新・永住への道
  4. 転職の可否と人材の定着
  5. 受入企業のコスト比較
  6. 技能実習から特定技能への移行
  7. 育成就労制度の新設と今後の展望
  8. よくある質問

技能実習制度と特定技能制度の概要

技能実習制度と特定技能制度は、どちらも外国人が日本で働くための制度ですが、その目的や仕組みが大きく異なります。

技能実習制度

技能実習制度は、「国際貢献」を目的とした制度です。開発途上国の人材が日本の技術・技能を学び、母国の経済発展に役立てることを建前としています。1993年に創設され、現在は技能実習1号(1年)、2号(2年)、3号(2年)の最長5年間の在留が可能です。

特定技能制度

特定技能制度は、「人手不足の解消」を目的とした制度です。2019年4月に創設され、国内で人材確保が困難な分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れる仕組みです。特定技能1号(最長5年)と特定技能2号(更新制限なし)があります。

最大の違い:技能実習は「国際貢献(技術移転)」、特定技能は「人手不足の解消(労働力確保)」が目的です。この目的の違いが、転職の可否、在留期間、受入条件などの多くの制度差に影響しています。

技能実習と特定技能の違い【一覧比較表】

技能実習と特定技能の主な違いを一覧表で比較します。

比較項目技能実習特定技能
目的国際貢献(技術移転)人手不足の解消
在留期間最長5年(1号1年+2号2年+3号2年)1号:最長5年、2号:更新制限なし
転職原則不可同一分野内で可能
家族帯同不可1号:不可、2号:可能
日本語要件なし(入国時)N4相当以上(JFT-BasicまたはJLPT)
技能要件なし(入国時)技能試験の合格が必要
受入機関監理団体+実習実施者受入企業(登録支援機関は任意)
対象分野90職種165作業16分野(2024年時点)
永住への道なし(帰国が前提)2号から永住申請可能
報酬日本人と同等以上日本人と同等以上
受入人数枠あり(常勤職員数に応じた上限)なし(建設・介護を除く)

在留期間・更新・永住への道

在留期間と将来のキャリアパスは、外国人材にとって最も関心の高いポイントです。

技能実習の在留期間

区分期間移行条件
技能実習1号1年入国時の手続き
技能実習2号2年技能検定基礎級合格
技能実習3号2年技能検定3級合格+優良認定

特定技能の在留期間

区分期間備考
特定技能1号通算5年更新は1年・6ヶ月・4ヶ月ごと
特定技能2号制限なし3年・1年・6ヶ月ごとに更新
永住への道:技能実習は帰国が前提のため永住申請はできません。一方、特定技能2号に移行すれば在留期間の制限がなくなり、条件を満たせば永住許可申請が可能です。長期的な人材確保を考える企業にとって、特定技能は大きなメリットがあります。

転職の可否と人材の定着

転職の可否は、企業と外国人双方にとって重要なポイントです。

技能実習:原則転職不可

技能実習は「技術移転」が目的のため、原則として実習先の変更(転職)はできません。ただし、以下の場合は例外的に移籍が認められます。

  • 実習実施者の倒産・経営悪化
  • 法令違反(暴力、ハラスメント等)
  • 実習継続が困難な「やむを得ない事情」

特定技能:同一分野内で転職可能

特定技能は労働力確保が目的のため、同じ分野内であれば転職が可能です。これは外国人にとっては大きなメリットですが、企業にとっては人材流出のリスクにもなります。

企業が人材を定着させるには

施策内容
適正な賃金同業他社と比較して競争力のある給与を提示
キャリアパスの提示特定技能2号への移行、正社員登用などの道筋を示す
生活支援の充実住居、日本語学習、地域との交流支援
コミュニケーション定期面談、母語での相談窓口の設置
スキルアップ支援資格取得支援、社内研修の充実
ヒトキワのサポート:ヒトキワでは、特定技能人材の採用から定着支援まで一貫してサポートしています。人材流出を防ぐための職場環境改善のご提案も行っています。

受入企業のコスト比較

技能実習と特定技能では、受入企業が負担するコストの構造が異なります。

費用項目技能実習特定技能
送出機関への手数料20〜60万円なし〜30万円
監理団体費用月3〜5万円/人なし(監理団体不要)
登録支援機関費用なし月2〜4万円/人(委託時)
入国前講習費用10〜20万円なし
在留資格申請費用10〜20万円10〜20万円
渡航費5〜15万円5〜15万円
初期費用合計(目安)50〜120万円20〜70万円
月額ランニングコスト3〜5万円/人0〜4万円/人
コスト面のポイント:特定技能は監理団体が不要なため、初期費用・月額費用ともに技能実習より低く抑えられる傾向があります。ただし、登録支援機関に支援を委託する場合は月額費用が発生します。自社で支援体制を構築できれば、さらにコスト削減が可能です。

技能実習から特定技能への移行

技能実習2号を修了した外国人は、一定の条件を満たすことで特定技能1号に移行できます。この移行ルートは最も一般的な特定技能の取得方法の一つです。

移行の条件

条件内容
技能実習の修了技能実習2号を良好に修了していること
対象分野の一致技能実習の職種と特定技能の分野が関連していること
試験の免除関連する分野への移行であれば、技能試験・日本語試験ともに免除

移行のメリット

  • 試験免除で手続きがスムーズ
  • 技能実習で培った技能をそのまま活かせる
  • 同じ企業で継続して働くことも可能
  • 最長さらに5年(1号)+無制限(2号)の在留が可能に

注意点

技能実習の職種と特定技能の分野が対応していない場合、試験免除の対象外となります。この場合、改めて技能試験と日本語試験に合格する必要があります。

育成就労制度の新設と今後の展望

2024年の法改正により、技能実習制度に代わる「育成就労制度」の新設が決定しました。

育成就労制度の概要

項目育成就労制度(新)技能実習制度(現行)
目的人材育成+人材確保国際貢献(技術移転)
在留期間最長3年最長5年
転職一定条件で可能(1〜2年後)原則不可
特定技能への移行直接移行を想定2号修了後に移行
施行予定2027年頃(経過措置あり)段階的に廃止
企業への影響:育成就労制度への移行に伴い、転職が一定条件で認められるようになります。企業は今から「選ばれる職場」になるための準備が必要です。適正な賃金、働きやすい職場環境、キャリアパスの整備が重要になります。ヒトキワでは、制度変更への対応もサポートしています。

よくある質問

Q. 技能実習と特定技能、どちらで外国人を受け入れるべきですか?

A. 短期間(1〜3年)の労働力が必要な場合は技能実習、長期的な人材確保を目指す場合は特定技能が適しています。特定技能は転職リスクがありますが、2号への移行で永住も視野に入るため、長期的な人材育成が可能です。業種・職種の対象範囲も異なるため、まずは自社が対象かどうかを確認しましょう。

Q. 技能実習から特定技能への移行に試験は必要ですか?

A. 技能実習2号を良好に修了し、関連する特定技能の分野に移行する場合は、技能試験・日本語試験ともに免除されます。ただし、分野が対応していない場合は試験の合格が必要です。

Q. 育成就労制度はいつから始まりますか?

A. 2024年に法改正が成立し、2027年頃の施行が予定されています。経過措置が設けられるため、現行の技能実習から段階的に移行されます。すでに受け入れている技能実習生への影響は限定的ですが、新規受入を検討する企業は新制度を視野に入れた計画が重要です。

外国人材の採用・定着でお悩みなら

ヒトキワが貴社の外国人材活用を全面サポートいたします