外国人採用と助成金の関係
日本の深刻な人手不足を背景に、政府は企業が外国人材を採用・育成する場合、複数の助成金制度を用意しています。これらの助成金を活用することで、採用・育成にかかる経済的負担を大幅に軽減できます。
2025年現在、外国人採用に関連する主な助成金は、厚生労働省が主管する4つのプログラムです。それぞれ対象となる企業や条件が異なるため、自社に適した助成金を選択することが重要です。
キャリアアップ助成金(人材育成コース)
キャリアアップ助成金は、非正規労働者の育成に対する助成制度です。外国人材を雇用し、体系的な訓練を実施する企業が対象となります。
キャリアアップ助成金(人材育成コース)
対象者:非正規労働者(外国人アルバイト、契約社員など)
対象訓練:
- 職業訓練(2日以上の継続的訓練)
- 有給休暇を取得させての訓練
- 職務に必要な日本語教育
支給額目安:訓練経費の60%(中小企業)、訓練時間 × 865円/時間(奨励金)
申請期限:訓練開始の1ヶ月前までに訓練計画を届け出、訓練終了後2ヶ月以内に申請
ポイント:外国人材の日本語教育にこの制度を使用する企業が増えています。訓練内容を明確に設定することが支給のカギです。
トライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金は、試験的な雇用期間を設けて労働者を雇用する企業を支援する制度です。外国人の適性確認に有効です。
トライアル雇用助成金
対象者:トライアル雇用契約での外国人労働者
雇用期間:3ヶ月~12ヶ月(企業の都合による)
対象企業:
- 一般トライアル:安定就職が困難な者を雇用する企業
- 障害者トライアル:障害者を雇用する企業
支給条件:
- ハローワークの紹介により雇用すること
- 期間終了後、継続雇用の可能性があること
- 最低賃金以上の給与を支払うこと
ポイント:最初の雇用でリスクを軽減できます。3ヶ月間のお試し期間で本当に職場に適合するか判定できます。
人材確保等支援助成金
この助成金は、経営の安定化や新規事業展開に必要な人材を確保する企業向けの制度です。外国人材の採用にも対応しています。
人材確保等支援助成金(人材育成支援コース)
対象企業:
- 人材不足分野で新規採用する企業
- 計画的な人材育成を実施する企業
対象となる人材育成:
- 新規採用労働者(外国人含む)の実務的な訓練
- 職務遂行能力向上のための研修
- 言語別研修(日本語含む)
支給額目安:訓練経費の60~80%(中小企業はさらに高率)
ポイント:大規模な人材育成計画に対応し、支給額が比較的大きい助成金です。複数の外国人材を採用・育成する場合に活用できます。
人材確保等支援助成金(雇用管理改善コース)
対象企業:
- 労働環境を改善する企業
- 給与体系を見直す企業
対象となる取組:
- 給与引き上げ(全従業員平均で2%以上)
- 短時間勤務制度の導入
- 職場環境の改善
- 外国人向けの相談体制整備
ポイント:外国人材を含めた職場環境全体の改善に対応しており、企業の持続的な人材確保に直結する施策です。
地域雇用開発助成金
特に求職者が少ない地域での雇用を支援する助成金です。地方での外国人採用に活用できます。
地域雇用開発助成金
対象地域:
- 求人倍率が全国平均より低い地域
- 地方活性化区域として指定された地域
対象者:対象地域の求人で新規採用された外国人労働者
支給条件:
- 対象地域での継続雇用が見込まれること
- 最低3ヶ月の雇用を継続すること
- 社会保険に加入していること
ポイント:地方での人口減少対策の一環として設計されています。地方企業が外国人材を採用する場合、最も活用しやすい制度です。
主な助成金の比較表
| 助成金名 | 支給額 | 対象企業 | 申請期限 |
|---|---|---|---|
| キャリアアップ助成金 | 訓練経費60% + 奨励金 | 非正規労働者を育成する企業 | 訓練終了後2ヶ月以内 |
| トライアル雇用 | 4,000円/月 × 3~12ヶ月 | 全企業(ハローワーク経由) | 申請期限は随時 |
| 人材確保等支援 (育成コース) |
訓練経費60~80% | 人材不足分野で採用する企業 | 計画申請後、報告期限あり |
| 人材確保等支援 (管理改善コース) |
20万~60万円 | 労働環境を改善する企業 | 実施期間終了後3ヶ月以内 |
| 地域雇用開発 | 3,000~10,000円/月 × 最大24ヶ月 |
対象地域での採用企業 | 雇用後3ヶ月以内 |
申請時の注意点と相談窓口
共通の注意点
- 申請期限の厳守:助成金は申請期限が厳格です。期限を過ぎると申請不可になるため、早めの確認が必須です。
- 書類の完全性:必要書類が不足していると、審査が進みません。申請前に必要書類をすべて揃えてください。
- 雇用契約の適切性:労働基準法を満たした雇用契約であることが大前提です。違法な雇用は助成金の対象外です。
- 事前の届け出:多くの助成金は「事前届け出型」です。実施前に計画書を提出する必要があります。
申請窓口と相談先
- 厚生労働省 ハローワーク:トライアル雇用助成金、地域雇用開発助成金の主な窓口
- 都道府県労働局 助成金担当課:キャリアアップ助成金、人材確保等支援助成金の相談窓口
- 公益団体(外国人雇用サービスセンター):外国人採用全般の相談が可能
- 行政書士・社会保険労務士:申請書類作成のプロフェッショナル支援
ヒトキワのサポート
ヒトキワ株式会社では、企業様が適切な助成金を申請できるよう、以下のサポートを提供しています。
- 自社に適した助成金の提案と選定
- 助成金申請に必要な書類作成サポート
- 申請期限管理と手続き代行
- 助成金受給後の報告書作成支援
- 労務管理体制の整備支援
外国人採用を検討されている企業様は、ぜひ一度ご相談ください。適切な助成金活用により、採用にかかる経済負担を大幅に軽減できます。
よくある質問
A. 代表的なものにキャリアアップ助成金(正社員化コース:1人あたり最大80万円)、人材開発支援助成金、トライアル雇用助成金などがあります。外国人専用ではありませんが、外国人材にも適用可能です。
A. 自社でも申請可能ですが、書類が複雑なため社会保険労務士に依頼する企業が多いです。ヒトキワでは助成金申請のアドバイスも行っています。