在留資格

1号と2号の違いは?特定技能ビザの種類を解説

特定技能ビザには「特定技能ビザ1号」と「特定技能ビザ2号」の2種類がありますが、それぞれには大きな違いがあり、取得難易度も大きく異なるため、それぞれの特徴を理解したうえでどちらを取得するかを決めることが大切です。

本記事では、特定技能ビザの種類について、1号と2号の違いを詳しく紹介します。

特定技能ビザの種類

パスポートを所持している方

特定技能ビザの種類は以下の2つです。

  • 特定技能ビザ1号
  • 特定技能ビザ2号

それぞれの種類について、詳しく紹介します。

①特定技能ビザ1号

特定技能ビザ1号は以下のように定義されています。

”法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約(入管法第2条の5第1項から第4項までの規定に適合するものに限る。次号において同じ。)に基づいて行う特定産業分野(人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野として法務省令で定めるものをいう。同号において同じ。)であって法務大臣が 指定するものに属する法務省令で定める相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要す る業務に従事する活動”(引用:出入国在留管理局「在留資格「特定技能」」)

特定技能ビザ1号の詳細は以下のとおりです。

在留期間1年を超えない範囲で法務大臣が個々の外国人について指定する期間ごとの更新、通算で上限5年まで
技能水準試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除)
日本語能力水準生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除)
家族の帯同基本的に認めない
受入れ機関・登録支援機関の支援支援の対象
受入れ分野介護ビルクリーニング工業製品製造業建築造船・舶用工業自動車整備航空宿泊自動車運送業鉄道農業漁業飲食料品製造業外食業林業木材産業
受入れ人数(2024年12月末時点)283,634人

(参照:「【第1表】主な国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数」)

②特定技能ビザ2号

特定技能ビザ2号は以下のように定義されています。

”法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野であって法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める熟練した技能を要する業務に従事する活動”(引用:出入国在留管理局「在留資格「特定技能」」)

特定技能ビザ2号の詳細は以下のとおりです。

在留期間3年、1年又は6か月ごとの更新
技能水準試験等で確認
日本語能力水準試験等での確認は不要
家族の帯同要件を満たせば可能(配偶者、子)
受入れ機関・登録支援機関の支援支援の対象外
受入れ分野ビルクリーニング工業製品製造業建築造船・舶用工業自動車整備航空宿泊自動車運送業鉄道農業漁業飲食料品製造業外食業林業木材産業
受入れ人数(2024年12月末時点)832人

(参照:「【第1表】国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能2号在留外国人数」)

特定技能ビザの種類ごとの受入れ人数

Free Europe Countries photo and picture

特定技能ビザの種類ごとの受入れ人数について、職業別に紹介します。

特定技能ビザ1号特定技能ビザ2号
介護44,367人
ビルクリーニング6,140人3人
工業製品製造業45,183人98人
建築38,365人213人
造船・舶用工業9,665人74人
自動車整備3,076人3人
航空1,382人
宿泊671人4人
鉄道1人
農業29,157人174人
漁業3,488人2人
飲食料品製造業74,380人158人
外食業27,759人105人

(参照:「【第1表】主な国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数」/【第1表】国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能2号在留外国人数)

このように、特定技能ビザ1号であれば幅広い職種を選びやすい現状にありますが、特定技能ビザ2号の場合は工業製品製造業・建築・造船・農業・飲食料品製造業・外食業に人数が集中している傾向にあります。

特定技能ビザの種類ごとの国籍

特定技能ビザの種類ごとの国籍について紹介します。

特定技能ビザ1号特定技能ビザ2号
ベトナム132,920人ベトナム558人
インドネシア53,496人中国116人
フィリピン28,180人フィリピン54人
ミャンマー27,337人インドネシア42人
中国17,645人ミャンマー11人
ネパール7,003人ネパール11人
カンボジア5,999人カンボジア9人
タイ5,563人台湾9人
その他5,491人その他22人

(参照:「【第1表】主な国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数」/【第1表】国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能2号在留外国人数)

特定技能ビザ1号・2号ともにベトナム人の取得が最高となっており、そのほかについても東南アジアやアジアの国が中心となっています。

特定技能ビザの種類に関するよくある質問

特定技能ビザの種類に関するよくある質問をQ&A形式で紹介します。

Q1.特定技能ビザ1号で家族帯同が認められるのはどのような場合ですか?

特定技能ビザ1号の要件では、家族帯同について”基本的に認めない”とあるように、例外的に特定技能ビザ1号でも家族の帯同が認められる場合があります。

例外的な場合とは、人道的に配慮が必要な場合です。

人道的な配慮という言葉は抽象的ですが、例えば紛争や自然災害などにおいて緊急性の高い支援が必要な場合などが人道的な配慮に該当します。

とはいえ、人道的な配慮についての基準は公開されていませんので、まずは特定技能ビザの発行元である法務省や出入国在留管理庁などに確認することが大切です。

Q2.特定技能ビザ2号のほうが取得難易度は高いですか?

受入れ人数などを見てみても、特定技能ビザ1号に比べて特定技能ビザ2号のほうが難易度が高いことがわかるはずです。

特定技能ビザ1号を取得するためには、職業分野ごとに定められている技能評価試験に合格することに加え日本語能力試験(N4レベル相当)の両方に合格する必要があります。

一方で特定技能ビザ2号を取得するためには、特定技術2号取得のために用意された技能評価試験に合格するとともに、一定の実務経験が必要となります。

特定技能ビザ2号で求められる実務経験は職業によってもことなり、実務経験年数であることもあれば、一定以上の役職での実務経験などが求められる場合もあります。

このように、特定技能ビザ2号のほうがより高いレベルの能力が求められますし、実務経験も条件に含まれるため取得難易度が高いのです。

Q3.特定技能ビザは永住権申請の要件に含まれますか?

特定技能ビザ1号は永住権申請の要件に含まれませんが、特定技能ビザ2号は永住権申請の要件に含まれます。

まとめ

特定技能ビザの取得を目指すのであれば、まずは取得難易度の低い「特定技能ビザ1号」を目指し、実務経験を積んだのちに「特定技能ビザ2号」を目指すといった流れが一般的です。

ただし、特定技能ビザ1号の在留期間は通算で5年となるため、計画的に実務経験を積むことをしなければ特定技能ビザ2号の移行は難しいでしょう。

ぜひ本記事を参考にして特定技能ビザの種類についてチェックしてみてください。