高度人材ポイントにおける大学の評価基準や指定大学を解説
高度専門職ビザの取得を目指す際に「自分の学歴がどのように評価されるのか」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
実は大学の学歴は高度人材ポイント制度において非常に重要な要素であり、適切に活用すれば大幅な加点が期待できます。
この記事では大学に関する評価基準から指定大学の条件、さらには実際の申請時の注意点まで詳しく解説していきます。
高度人材ポイントにおける「大学」の評価基準

ここでは高度人材ポイント制度における大学の評価基準について説明します。
学歴は基本ポイントに加えて特別加算の対象にもなるため、正確な理解が必要です。
①学歴項目による基本ポイント(博士・修士・学士)
最終学歴に応じて博士号で30点、修士号で20点、学士号で10点が基本ポイントとして付与されます。
これらのポイントは高度専門職1号イ(研究)と1号ロ(知識・管理)の両方に共通して適用される重要な基礎点です。
学歴ポイントは他の加点項目と合算できるため、高得点を目指す上での土台となります。
②特定大学卒業者への加算(ボーナスポイント)
法務大臣が指定する特定の大学を卒業している場合には一律で10点のボーナスポイントが加算されます。
この加点は基本的な学歴ポイントと重複して計算できるため、合計で最大40点(博士30点+指定大学10点)を獲得することも可能です。
指定大学に該当するかどうかは世界ランキングや政府の認定プログラムによって決まります。
③専門職学位(MBA・MOT)の加点扱い
経営管理に関する専門職学位であるMBAや技術経営を学ぶMOTを取得している場合、追加で5点の加算を受けられるケースがあります。
この加点は高度専門職1号ロ(知識・管理)の申請において、通常の修士号とは別枠で評価される仕組みです。
ビジネスや技術経営の専門性が高度人材としての価値を高めると判断されるためです。
④複数の専攻(ダブルメジャー)による評価
異なる分野で複数の修士号や博士号を保持している場合には追加で5点が加点される制度があります。
この評価は同じ分野での学位の重複ではなく、異なる専門領域での学位取得が条件となります。
幅広い専門知識を持つ人材は高度人材としての資質が高いと評価されるためです。
ポイント加点対象となる「指定大学」の条件

ここでは10点のボーナスポイントが付与される指定大学の条件について解説します。
国際的な評価基準と日本独自の制度の両方が認定の根拠となっています。
①世界大学ランキングに基づく指定校
QS世界大学ランキング、THE世界大学ランキング、ARWU(上海ランキング)の3つのうち2つ以上で300位以内に入っている大学が対象です。
これは世界的に高い教育水準を持つ大学であることを客観的に証明するための基準となっています。
日本の大学では東京大学や京都大学などの主要な国立大学がこの条件を満たしています。
②日本の「スーパーグローバル大学創成支援事業」採択校
日本政府が国際競争力の向上を目的として選定したスーパーグローバル大学の卒業生には一律で10点が加算されます。
この制度は世界ランキング300位圏外の日本の大学であっても、政府が認定した教育機関であれば加点対象となる仕組みです。
早稲田大学や慶應義塾大学などの私立大学も多く採択されており、日本国内での学位取得者にとって有利な制度です。
③イノベーション促進を目的とした外務省事業採択校
外務省が推進する「イノベーティブ・アジア」事業の対象校に選定されているアジア諸国の大学卒業者にも同様の加点措置が適用されます。
この制度は特定の国や地域からの優秀な人材を日本に呼び込むことを目的としています。
インドや東南アジアの主要大学がこの対象に含まれており、アジア地域からの人材受け入れを促進する役割を果たしています。
「高度専門職1号イ(学術研究活動)」と大学の関係

ここでは大学での研究や教育に従事する方向けの高度専門職1号イについて説明します。
このカテゴリーは研究実績が重視される点が特徴的です。
①大学教授・講師・研究者の要件
大学での教育活動や学術研究に従事する場合には高度専門職1号イに該当します。
このカテゴリーでは年収や年齢よりも研究業績や論文発表などの実績がポイントの大きな割合を占めるのが特徴です。
若手研究者であっても優れた研究実績があれば70点以上を獲得できる可能性があります。
②所属機関(大学)の公的証明
勤務先が大学であることを証明するために雇用契約書や辞令の写しを提出する必要があります。
また大学側の経営実態を示す資料として、カテゴリー1の場合は四季報などを、それ以外の場合は決算書などの提出が求められます。
これらの書類によって雇用の安定性と大学の信頼性が審査されます。
③共同研究プロジェクトへの参画評価
大学所属の研究者が企業との共同研究や特許取得に関わっている場合、それが実用化された研究実績として認められることがあります。
このような実績は産学連携の成果として高く評価され、さらなるポイント加算の可能性があります。
基礎研究だけでなく応用研究や社会実装に貢献している研究者は特に有利です。
大学関連のポイント計算における注意点

ここでは大学関連のポイントを計算する際の重要な注意点について解説します。
正確な理解がないと思わぬ形でポイントを逃してしまう可能性があります。
①日本の大学を卒業したことによる加点
日本の大学を卒業または大学院を修了した留学生には一律で10点が付与されます。
この加点は指定大学による10点の加点と重複して適用できるため、日本の有名大学出身者は合計で20点の特別加算を受けられます。
学歴ポイントと合わせると最大で50点(博士30点+指定大学10点+日本の大学10点)という高得点が可能です。
②外国語での学位証明書と翻訳の必要性
海外大学の学位証明書が日本語または英語以外の言語で発行されている場合には翻訳が必要です。
翻訳は本人が行うことも可能ですが、氏名・翻訳年月日・翻訳者の署名を明記し、原本との整合性を担保しなければなりません。
信頼性を高めるためには公的な翻訳サービスを利用することも検討すべきです。
③「大学卒業」と「実務経験」の重複計算の禁止
学歴ポイントの根拠となる学位取得期間は就労経験における実務期間として二重にカウントすることはできません。
実務経験でポイント加点を得る場合には学位取得後の期間のみが対象となります。
例えば修士課程在学中にアルバイトやインターンをしていても、その期間は実務経験としては認められないので注意が必要です。
④通信制大学および学位授与機構の扱い
正規の学士・修士・博士号であれば通信制大学で取得した学位でも原則としてポイント対象となります。
また独立行政法人大学改革支援・学位授与機構から授与された学位も大学卒業と同等に評価されます。
重要なのは学位の取得方法ではなく、正式に認定された学位であるかどうかという点です。
大学卒業者が高度専門職を目指すための準備

ここでは大学卒業者が高度専門職ビザの取得を目指す際の具体的な準備について説明します。
事前の書類準備が申請の成否を左右することも少なくありません。
①卒業証明書および成績証明書の取得方法
ポイントの証明には卒業証書のコピーではなく大学が発行する卒業証明書の原本が求められます。
海外の大学の場合には郵送に数週間から1ヶ月以上かかることもあるため、転職先が決まる前の早い段階での準備が推奨されます。
成績証明書も合わせて取得しておくと、万が一追加書類を求められた際にスムーズに対応できます。
②複数の加点項目を組み合わせたシミュレーション
年齢・年収・学歴(大学関連)を組み合わせた正確なポイント計算が必要です。
特に入管のホームページにある公式のポイント計算表を使用して、現時点で70点を超えるかどうかを客観的な証拠書類に基づいて確認します。
事前にシミュレーションすることで不足しているポイントを補うための戦略を立てることができます。
特別加算項目の分類と配点
ここでは大学関連以外も含めた特別加算項目の全体像を表で整理します。
複数の項目を組み合わせることで効率的に70点以上を目指すことが可能です。
| 分類 | 加算項目 | 配点 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 大学・教育 | 日本の高等教育機関(大学等)の卒業 | 10点 | 学歴ポイントと合算可 |
| 大学・教育 | 特定大学(世界ランキング上位校等)の卒業 | 10点 | 日本の大学加点と合算可 |
| 大学・教育 | 複数の分野で修士号または博士号を保持 | 5点 | 異なる専門分野に限る |
| 言語能力 | 日本語能力試験N1合格(またはBJT480点以上) | 15点 | 日本の大学卒業加点と合算可 |
| 言語能力 | 日本語能力試験N2合格(またはBJT400点以上) | 10点 | 日本の大学卒業者は加算不可 |
| 職務・資格 | 従事する業務に関連する日本の国家資格 | 5点/件 | 最大10点(2件以上)まで |
| 職務・資格 | IT告示に定められた外国の資格 | 5点/件 | 日本の国家資格と合算可 |
| 企業・事業 | イノベーション促進支援措置を受けている企業 | 10点 | 公的支援(補助金等)の証明が必要 |
| 企業・事業 | 中小企業で試験研究費比率が3%以上 | 5点 | 確定申告書等の資料が必要 |
| 企業・事業 | 成長分野の先端プロジェクトに従事 | 10点 | 各省庁の証明が必要 |
上記の表からわかるように、大学関連の加点だけでも最大25点(日本の指定大学卒業で博士号保持+複数分野の学位)を獲得できます。
さらに言語能力や職務資格を組み合わせることで、年収や年齢が高くなくても70点以上を達成することが十分に可能です。
各項目の証明書類を事前に準備しておくことが、スムーズな申請につながります。
高度人材の大学に関するよくある質問
高度人材の大学に関するよくある質問をQ&A形式で紹介します。
Q1. 海外の通信制大学で取得した学位はポイント対象になりますか?
正式に認定された学位であれば通信制大学で取得した学位でもポイント対象となります。
ただし学位の正当性を証明するために、大学の認定状況や学位証明書の原本が必要です。
一部の国では通信制大学の学位が正式な学位として認められないケースもあるため、事前に確認することをおすすめします。
Q2. 日本の大学を中退した場合でもポイントはもらえますか?
中退の場合は学位を取得していないため、学歴ポイントおよび日本の大学卒業による特別加算は受けられません。
ポイント制度では学位の取得が前提となっているため、在籍期間だけでは評価の対象外です。
もし学位取得まであと少しという状況であれば、復学や編入を検討する価値があります。
Q3. 複数の大学で学士号を取得している場合は加点されますか?
複数の学士号を持っていても基本の学歴ポイントは10点のままです。
複数分野での学位による5点の加点は修士号または博士号を異なる分野で取得している場合にのみ適用されます。
学士レベルでの複数学位は現行制度では追加の加点対象にはなりません。
まとめ
高度人材ポイント制度において大学の学歴は基本ポイントと特別加算の両面で重要な役割を果たします。
特に指定大学の卒業と日本の大学卒業の組み合わせは最大20点の特別加算となり、70点達成への大きな助けになります。
今回解説した評価基準を参考に自分の学歴がどのように評価されるかを確認し、必要な証明書類を早めに準備して高度専門職ビザの取得を目指しましょう。
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