高度人材は転職できる?必要書類や手続きの流れ、注意点を解説
高度人材として日本で働いている方の中には、転職を考えているものの手続きが複雑で不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
高度人材は在留資格変更許可申請などの手続きを行えば転職することが可能です。
この記事では高度人材が転職する際の必要書類や手続きの流れ、注意すべきポイントについて詳しく解説します。
高度人材は転職できる?

高度人材として日本で働く外国人の方にとって、転職はキャリアアップの重要な選択肢となります。
ここでは高度人材の転職可否と、必要となる手続きや書類について説明します。
①在留資格変更許可申請を行えば転職可能
高度人材は適切な手続きを踏めば転職することができます。
ただし保持している在留資格の種類によって必要な手続きが異なるため、自分の資格を確認することが大切です。
高度専門職1号の場合は在留資格変更許可申請が必要となり、2号の場合は届出のみで転職が可能になります。
②必要書類一覧
高度人材が転職する際には複数の書類を準備する必要があります。
以下の表に主な必要書類をまとめましたので、事前に確認して漏れなく準備しましょう。
書類の種類や枚数は転職先企業のカテゴリーによって変わることがあります。
| 書類名 | 発行元 | 備考 |
|---|---|---|
| 在留資格変更許可申請書 | 出入国在留管理庁 | 所定の様式あり |
| パスポート | 本国政府 | 原本とコピー |
| 在留カード | 出入国在留管理庁 | 原本とコピー |
| 雇用契約書または内定通知書 | 転職先企業 | 年収や職務内容の記載必須 |
| 会社の登記事項証明書 | 法務局 | 転職先企業が準備 |
| 卒業証明書 | 出身大学 | ポイント計算に使用 |
| 資格証明書 | 各認定機関 | 該当する場合のみ |
| ポイント計算表 | 本人作成 | 70点以上の証明 |
③申請する場所
在留資格に関する申請は出入国在留管理庁で行います。
申請場所は居住地によって管轄が決まっているため、事前に確認が必要です。
以下の表で主な申請場所と管轄地域をまとめています。
| 申請場所 | 管轄地域 | 備考 |
|---|---|---|
| 東京出入国在留管理局 | 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県など | 本局および支局あり |
| 大阪出入国在留管理局 | 大阪府、京都府、兵庫県など | 支局も複数あり |
| 名古屋出入国在留管理局 | 愛知県、岐阜県、三重県など | 中部地方をカバー |
| 札幌出入国在留管理局 | 北海道全域 | 出張所あり |
| 福岡出入国在留管理局 | 福岡県、佐賀県、長崎県など | 九州地方をカバー |
| 広島出入国在留管理局 | 広島県、山口県、岡山県など | 中国地方をカバー |
保持している資格による手続きの違い

高度人材の転職手続きは保持している在留資格の種類によって大きく異なります。
ここでは高度専門職1号、2号、永住権のそれぞれについて具体的な手続きの違いを解説します。
①高度専門職1号:在留資格の「変更許可申請」が必要
高度専門職1号は特定の所属機関と紐づいて許可される資格です。
転職時には職種が変わらない場合でも、改めてポイント計算を行い新しい勤務先を対象とした在留資格変更許可申請を行う必要があります。
新しい指定書を受領するまでは転職先での就労を開始できないため、時間的な余裕を持って申請することが重要です。
②高度専門職2号:在留資格の変更は不要(届出のみ)
高度専門職2号は1号と異なり所属機関が限定されていません。
転職をしても在留資格そのものを変更する申請は不要ですが、転職から14日以内に所属機関に関する届出を提出する義務があります。
届出は出入国在留管理庁の電子届出システムや窓口への持参、郵送のいずれかの方法で行うことができます。
③永住権:入管への転職報告義務はなし
永住者は就労制限がないため、どのような職種や企業へも自由に転職が可能です。
高度専門職とは異なり転職に際して入管へ所属機関に関する届出を提出する法的義務もありません。
ただし市区町村への転居届などは日本人と同様に必要となるため、住所変更がある場合は忘れずに手続きを行いましょう。
高度人材が転職する具体的な手続きの流れ

高度人材が転職する際には複数の手続きを段階的に進める必要があります。
ここでは所属機関の届出から新しい在留カードの受領まで、具体的な手続きの流れを順を追って説明します。
①所属機関に関する届出(14日以内)
転職後14日以内に出入国在留管理庁に対して所属機関の変更を届け出る必要があります。
届出はインターネットの電子届出システム、窓口への持参、または郵送のいずれかの方法で行うことが義務付けられています。
期限を過ぎると在留資格の取消対象となる可能性があるため、転職後は速やかに手続きを行いましょう。
②在留資格の変更許可申請または変更届
現在の在留資格が高度専門職1号の場合、指定された所属機関との契約に基づき付与されているため再度審査を受ける必要があります。
転職時には新しい勤務先での高度専門職としての要件を満たすことを証明し、許可を得なければなりません。
技術・人文知識・国際業務などの一般資格で高度人材の優遇を受けている場合は、就労資格証明書の取得などが検討材料となります。
③新しい指定書の受領
高度専門職の在留資格が許可されると、パスポートに貼付される指定書が新しく発行されます。
指定書には転職先の企業名が記載されるため、以前の指定書は無効となり新しい指定書を携帯・保管する必要があります。
指定書は在留資格を証明する重要な書類なので、紛失しないように大切に保管しましょう。
④市町村への住居地変更届出
転職に伴い転居を伴う場合、転居から14日以内に新住所地の市区町村窓口へ転入届を提出する必要があります。
窓口では在留カードの裏面に新住所の記載を受けることになります。
これは入管法および住民基本台帳法に基づく義務であり、怠ると過料の対象となる可能性があります。
⑤新しい在留カードの交付受領
在留資格の変更許可が下りた際、新しい所属機関の情報が反映された新しい在留カードが交付されます。
受領時には古いカードを返納し、資格の連続性を維持するための手続きを完了させます。
新しい在留カードは常に携帯する義務があるため、受領後は財布などに入れて持ち歩くようにしましょう。
高度人材が転職するときの注意点

高度人材が転職する際にはいくつかの重要な注意点があります。
ここでは転職時に特に気をつけるべきポイントについて、具体的に解説します。
①ポイント計算の再実施と疎明資料の準備
転職先の年収や職務内容に基づき、改めてポイント計算で70点または80点以上を証明する必要があります。
前職の時とは年収や年齢、加点項目が変わる可能性があるため、最新の状態を証明する公的な書類を揃え直さなければなりません。
契約書や卒業証明書、資格証などの疎明資料は審査において非常に重要な役割を果たすため、漏れなく準備しましょう。
②在留期限の引き継ぎと永住申請への影響
転職手続きによって在留期間がリセットされるわけではありませんが、高度人材の優遇措置を利用する場合は注意が必要です。
永住権申請までの期間短縮を利用する場合、転職後も継続してポイント基準を満たしている必要があります。
転職に伴う年収減などで基準を下回ると、永住申請の優遇対象から外れるリスクがあるため事前に確認しましょう。
③転職先企業のカテゴリー確認
入管法上の所属機関には企業の規模や実績に応じたカテゴリー1から4が存在します。
転職先のカテゴリーによって提出すべき資料の量や審査の厳格さが異なるため、事前確認が重要です。
カテゴリー1や2の企業は審査が比較的スムーズですが、カテゴリー3や4の場合は追加書類が必要になることがあります。
④年収見込額の算定基準の変化
高度人材ポイントにおける年収は今後の1年間に支払われる予定の報酬で計算されます。
賞与は含まれますが残業代などは除外されるため、転職初年度の計算方法には注意が必要です。
外資系企業などのインセンティブの扱いが入管の審査基準に合致するか、雇用契約書の内容を精査しましょう。
⑤無職期間(待機期間)の長期化リスク
転職活動中に無職期間が長引く場合、正当な理由なく就労活動を3ヶ月以上行わないと在留資格の取消対象となる可能性があります。
転職先が決まる前に退職する場合は、この期間制限を十分に考慮する必要があります。
無職期間中は健康保険や年金などの切り替え手続きも発生するため、事前に準備を整えておくことが大切です。
高度人材の転職に関するよくある質問
高度人材の転職に関するよくある質問をQ&A形式で紹介します。
①転職の審査にはどのくらいの期間がかかりますか
高度専門職1号の在留資格変更許可申請は通常1ヶ月から3ヶ月程度かかります。
申請書類の不備や追加資料の提出が必要な場合はさらに時間がかかることがあります。
余裕を持って申請を行い、新しい勤務先には審査期間について事前に説明しておくことをおすすめします。
②転職先でのポイントが70点未満になった場合はどうなりますか
転職先でのポイント計算が70点未満になる場合、高度専門職としての在留資格変更は認められません。
その場合は技術・人文知識・国際業務などの一般的な就労資格への変更を検討する必要があります。
一般的な就労資格に変更すると高度人材としての優遇措置が受けられなくなるため、転職先選びは慎重に行いましょう。
③転職活動中に在留期間が切れそうな場合はどうすればいいですか
在留期間の更新申請は期間満了の3ヶ月前から可能です。
転職活動中であっても現在の在留資格で更新申請を行うことができます。
転職先が決定した後に改めて在留資格変更許可申請を行う流れになるため、まずは在留期間を確保することが優先です。
まとめ
高度人材は適切な手続きを行えば転職することが可能で、保持している在留資格によって必要な手続きが異なります。
高度専門職1号の場合は在留資格変更許可申請が必要であり、ポイント計算の再実施や疎明資料の準備が重要になります。
転職を検討する際は無職期間の長期化リスクや年収見込額の変化に注意しながら、余裕を持って計画的に手続きを進めていきましょう。
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