在留資格

老親扶養ビザの必要書類と条件を徹底解説|親を日本に呼び寄せるために

高齢になった親を日本に呼び寄せて一緒に暮らしたいと考えているものの、どのような手続きが必要なのか分からず不安を感じていませんか。

老親扶養ビザ(特定活動)は、条件を満たせば親を日本に呼び寄せることができる在留資格です。

この記事では、老親扶養ビザの基礎知識から申請条件、必要書類、審査を通過するためのポイントまで、親を日本に呼ぶために知っておくべき情報を分かりやすく解説していきます。

老親扶養ビザ(特定活動)とは?申請前に知っておくべき基礎知識

ここでは、老親扶養ビザの基本的な内容と、他のビザとの違いについて説明します。

申請を検討する前に、この在留資格の特徴をしっかりと理解しておきましょう。

①正式名称は「告示外特定活動(老親扶養)」

老親扶養ビザの正式名称は「告示外特定活動(老親扶養)」と呼ばれています。

この在留資格は法務大臣が個別に判断する人道的配慮に基づくビザであり、明確な法律上の基準が定められていないのが特徴です。

そのため申請内容を個別に審査し、扶養の必要性が高いと認められた場合にのみ許可されます。

許可された場合の在留期間は通常6ヶ月または1年で、更新申請を繰り返すことで日本での滞在を継続できます。

②家族滞在ビザとは何が違う?

家族滞在ビザは就労ビザや留学ビザを持つ人の配偶者や子供が対象となる在留資格です。

一方で老親扶養ビザは親という立場の人を対象としており、家族滞在ビザでは親を呼び寄せることができません。

また家族滞在ビザは比較的要件が明確で取得しやすいのに対し、老親扶養ビザは人道的配慮に基づく例外的な措置という性質上、許可のハードルが非常に高くなっています。

さらに家族滞在ビザでは資格外活動許可を得れば週28時間まで働けますが、老親扶養ビザでは原則として就労が認められていません。

③老親扶養ビザの許可率が極めて低い理由

老親扶養ビザの許可率が低い最大の理由は、本国で扶養を受けられない特別な事情が必要とされるためです。

入管当局は「なぜ親の母国ではなく日本で扶養しなければならないのか」という点を厳しく審査します。

単に親と一緒に暮らしたいという希望だけでは許可されず、親が高齢で病気があり本国に身寄りがないなど客観的に証明できる理由が求められます。

また日本での生活費や医療費を十分に負担できる経済力も必要とされるため、これらの条件を全て満たすケースが少ないことが許可率の低さにつながっています。

老親扶養ビザの申請が認められる「4つの絶対条件」

ここでは、老親扶養ビザの申請において必ず満たすべき4つの重要な条件を解説します。

これらの条件を一つでも欠くと許可を得ることが難しくなるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。

①親の年齢が原則70歳以上であること

老親扶養ビザの申請では親の年齢が70歳以上であることが一つの目安とされています。

これは高齢であるほど日常生活における扶養の必要性が高いと判断されるためです。

ただし70歳未満でも重度の病気や障害があり介護が必要な場合には、医師の診断書などで客観的に証明できれば許可される可能性があります。

逆に70歳以上であっても健康で自立した生活ができる場合は、日本に呼び寄せる必要性が低いと判断され不許可になることもあるため注意が必要です。

②本国に身寄り(配偶者、兄弟、子)がいないこと

親の母国に配偶者や他の子供、兄弟など扶養できる親族がいないことが重要な条件となります。

入管当局は「なぜ本国の親族ではなく日本にいる子供が扶養する必要があるのか」という点を厳しく審査します。

たとえば配偶者が健在であったり他の子供が母国にいる場合、その人たちによる扶養が可能と判断され許可されにくくなります。

この条件を証明するためには親族関係を示す公的な書類や、他の親族が扶養できない特別な事情を説明する必要があります。

③日本にいる子供(扶養者)に十分な経済力があること

日本で親を扶養する子供に親の生活費や医療費を負担できる十分な収入があることが必須条件です。

具体的な金額の基準は明示されていませんが、扶養者自身の家族の生活に加えて親の生活も支えられる経済力が求められます。

課税証明書や納税証明書、給与明細などで安定した収入があることを証明し、貯蓄額も審査のプラス材料となります。

また親が日本で医療費や介護サービスを利用する可能性が高いため、それらの費用も含めて負担できることを示す必要があります。

④親に扶養が必要な正当な理由(病気や高齢など)があること

親が高齢であることに加えて、病気や障害など具体的に扶養が必要な理由があることが求められます。

単に年齢が高いというだけでなく、日常生活に支援が必要な状態であることを医師の診断書などで証明することが重要です。

たとえば認知症や脳卒中の後遺症、足腰の衰えによる歩行困難など、具体的な症状や介護の必要性を示します。

また本国では適切な医療や介護サービスを受けられない事情があれば、それも併せて説明することで申請の説得力が高まります。

【保存版】老親扶養ビザ申請の必要書類リスト

ここでは、老親扶養ビザの申請に必要な書類を5つのカテゴリーに分けて詳しく紹介します。

書類の準備は審査の結果を大きく左右するため、漏れがないようしっかりと確認しながら進めましょう。

①基本的な申請書類(申請書・写真)

在留資格認定証明書交付申請書または在留資格変更許可申請書が基本となる申請書類です。

申請書は出入国在留管理庁のウェブサイトからダウンロードでき、必要事項を正確に記入して提出します。

また申請する親の顔写真(縦4cm×横3cm)が必要で、申請前3ヶ月以内に撮影した無背景の写真を用意してください。

申請書には扶養者の情報や親の情報、日本での滞在予定などを詳しく記載し、虚偽の記載がないよう注意が必要です。

②親子関係を証明する書類(出生証明書・戸籍謄本など)

申請者と扶養者が親子関係にあることを証明する公的な書類が必要です。

日本国籍の場合は戸籍謄本、外国籍の場合は出生証明書や家族関係証明書など親子関係が分かる書類を提出します。

外国の公的機関が発行した書類は日本語翻訳を添付する必要があり、翻訳者の氏名も明記します。

これらの書類は発行から3ヶ月以内の原本またはコピーが求められるため、申請のタイミングに合わせて取得しましょう。

③本国に扶養者がいないことを証明する書類(親族関係公証書)

親の母国に他に扶養できる親族がいないことを証明するための書類です。

親族関係公証書や家族関係証明書など、配偶者や子供、兄弟の有無が分かる公的書類を提出します。

もし他の親族がいる場合は、その人たちが扶養できない理由(高齢、病気、経済的困窮など)を説明する書類や宣誓書が必要です。

これらの書類も外国語の場合は日本語翻訳を添付し、可能な限り公的機関が発行したものを用意することで信頼性が高まります。

④扶養者(日本側)の経済力を証明する書類(課税証明書・納税証明書)

日本で親を扶養する人の経済力を証明するための書類が重要です。

住民税の課税証明書と納税証明書は過去1年分を提出し、安定した収入と納税の実績を示します。

また在職証明書や給与明細、預金通帳のコピーなども補足資料として有効です。

会社経営者や自営業の場合は確定申告書の控えや決算書なども提出し、事業の安定性や収益性を証明することが求められます。

⑤親の健康状態を証明する書類(診断書・要介護証明など)

親の健康状態や扶養が必要な理由を客観的に示すための医療関係の書類です。

医師が作成した診断書には病名や症状、治療の必要性、日常生活での支援の必要度などを詳しく記載してもらいます。

また要介護認定を受けている場合はその証明書、過去の入院記録や治療歴なども有効な資料となります。

これらの書類は申請の核心部分となるため、できるだけ具体的で詳細な内容のものを用意することが審査通過のカギとなります。

最も重要な書類「理由書」の書き方のポイント

ここでは、老親扶養ビザの審査で最も重視される理由書の作成方法について解説します。

理由書の内容が申請の成否を大きく左右するため、説得力のある文章を作成することが非常に重要です。

①なぜ「今」日本に呼ぶ必要があるのかを具体化する

理由書では親を今すぐ日本に呼び寄せなければならない緊急性や必要性を明確に説明します。

たとえば親の病状が悪化している、一人暮らしで転倒などの事故のリスクが高まっているなど具体的な状況を記載してください。

また過去から現在までの親の状況の変化を時系列で示すことで、日本での扶養が必要になった経緯が分かりやすくなります。

単に「心配だから」「寂しいから」といった感情的な理由だけでなく、客観的な事実に基づいた必要性を述べることが重要です。

②本国で介護を受けられない理由を客観的に証明する

なぜ親の母国ではなく日本で扶養する必要があるのかという点を論理的に説明します。

本国に他の親族がいない場合はその事実を、いる場合はその親族が扶養できない理由(高齢、病気、経済的困窮など)を具体的に記載してください。

また親の居住地域で適切な医療や介護サービスが受けられない事情があれば、それも重要なポイントとなります。

これらの主張は公的書類や第三者の証明書などで裏付けることで、審査官に対する説得力が格段に高まります。

③日本での生活設計と看護・介護体制を明記する

親が日本に来た後の具体的な生活プランや介護体制について詳しく説明します。

住居はどこに用意するのか、日常生活の支援は誰がどのように行うのか、医療機関はどこを利用する予定かなどを具体的に記載してください。

また扶養者が仕事をしている場合は、仕事と介護をどのように両立するのかという点も説明が必要です。

生活費や医療費の負担についても具体的な金額を示し、長期的に扶養を続けられる計画があることをアピールすることが大切です。

審査を有利にするための「補足資料」の例

ここでは、必須書類に加えて提出することで審査に有利に働く可能性がある補足資料を紹介します。

これらの資料は申請内容の信頼性を高め、扶養の必要性をより説得力を持って示すことができます。

①過去の送金実績を示す通帳のコピー

日本から親に対して定期的に送金してきた実績がある場合、その記録は強力な証拠となります。

銀行の通帳やオンラインバンキングの履歴をコピーして提出することで、長年にわたり親を経済的に支援してきたことを証明できます。

送金の頻度が高く金額も安定していれば、扶養者としての責任感や経済力があることを示す材料になります。

また送金記録には親の名前や目的(生活費、医療費など)が分かるメモを添えることで、より分かりやすい資料となります。

②親を診察した医師の意見書や入院記録

親の健康状態や介護の必要性について、診察した医師からの意見書があると説得力が増します。

意見書には病名や症状だけでなく、今後の治療方針や日常生活での支援の必要性について具体的に記載してもらいましょう。

また過去に入院した記録や治療の経過が分かる書類も、親の健康状態の深刻さを示す有効な資料です。

これらの医療関係の書類は専門家による客観的な評価であるため、審査官の判断材料として重視される傾向があります。

③親が一人で暮らしていることがわかる現地の証明書

親が母国で一人暮らしをしており、身の回りの世話をする人がいないことを証明する書類です。

現地の役所が発行する世帯証明書や居住証明書などで、親が単身世帯であることを示すことができます。

また近隣住民や地域の民生委員、教会などからの証明書で、親が実際に一人で生活していることを第三者に証明してもらう方法もあります。

これらの書類は本国に扶養者がいないという主張を裏付ける重要な証拠となり、申請の信頼性を高めます。

老親扶養ビザ申請の手続きの流れと期間

ここでは、老親扶養ビザを申請する際の具体的な手続きの流れと、審査にかかる期間について説明します。

申請方法や審査期間を事前に理解しておくことで、計画的に手続きを進めることができます。

①短期滞在から特定活動への「在留資格変更許可申請」が一般的

老親扶養ビザの申請は、親が短期滞在ビザで日本に入国した後に在留資格変更許可申請を行う方法が一般的です。

まず親を観光や親族訪問などの目的で短期滞在ビザ(90日以内)で日本に招待します。

その後、日本にいる間に最寄りの出入国在留管理局で在留資格変更許可申請を行い、老親扶養ビザへの変更を申請します。

この方法であれば親が日本にいる間に審査を待つことができ、審査結果が出るまで一緒に過ごせるというメリットがあります。

②審査にかかる期間の目安(3ヶ月〜6ヶ月以上)

老親扶養ビザの審査には通常3ヶ月から6ヶ月程度の時間がかかります。

ケースによってはさらに長期間かかることもあり、追加書類の提出を求められる場合はその分審査期間が延びます。

審査期間中は親が短期滞在ビザの期限を超えて日本に滞在できるよう、在留期間の延長申請が必要になる場合があります。

審査の進捗状況は出入国在留管理局に問い合わせることもできますが、基本的には審査結果の通知を待つことになります。

③不許可になった場合の再申請の可能性

老親扶養ビザの申請が不許可になった場合でも、状況が変われば再申請することは可能です。

不許可の理由をしっかりと確認し、不足していた証拠書類を追加したり理由書の内容を改善したりして再度申請します。

ただし同じ内容で何度も申請すると審査に悪影響を与える可能性があるため、前回の申請から状況が変化した点を明確に示すことが重要です。

また再申請までには一定の期間を空け、親の健康状態の悪化や本国の状況の変化など、新たな事情が生じてから申請する方が許可の可能性が高まります。

老親扶養ビザに関するよくある質問(FAQ)

ここでは、老親扶養ビザの申請に関してよく寄せられる疑問について回答します。

申請を検討する際に多くの人が気になるポイントをまとめましたので、参考にしてください。

①両親を2人同時に呼ぶことはできる?

両親を2人同時に日本に呼び寄せることは理論上は可能ですが、実際には非常に難しいとされています。

配偶者が健在である場合は夫婦で互いに扶養し合えると判断され、日本に呼ぶ必要性が低いと見なされるためです。

ただし両親とも高齢で病気があり、互いに介護できる状態でない場合は、それぞれについて扶養の必要性を証明できれば可能性はあります。

その場合は扶養者の経済力もより高いレベルが求められるため、両親2人分の生活費や医療費を十分に負担できることを示す必要があります。

②親に年金収入がある場合は不利になる?

親に年金収入がある場合、必ずしも不利になるわけではありません。

むしろ年金収入があることで日本での生活費の一部を自己負担でき、扶養者の経済的負担が軽減されるとプラスに評価される場合もあります。

重要なのは年金だけで生活できるかどうかではなく、日常生活において扶養者の支援が必要かどうかという点です。

年金収入があっても高齢や病気で介護が必要であれば、扶養ビザの申請理由として十分成立します。

③親を日本で健康保険に入れることはできる?

老親扶養ビザで日本に滞在する親を健康保険に加入させることは可能です。

扶養者が会社員の場合は社会保険の被扶養者として、扶養者が自営業の場合は国民健康保険に加入することができます。

ただし被扶養者の認定には収入要件などがあり、親の年金収入が一定額以下である必要があります。

健康保険に加入できれば医療費の自己負担が3割になるため、日本での医療費の負担を大幅に軽減できるというメリットがあります。

まとめ:老親扶養ビザは「書類の説得力」が鍵

老親扶養ビザは許可のハードルが高い在留資格ですが、必要な条件を満たし説得力のある書類を準備すれば許可される可能性があります。

親の年齢や健康状態、本国に扶養者がいないこと、扶養者の経済力という4つの条件を満たし、それを客観的に証明する書類と詳細な理由書を用意することが重要です。

申請を検討している方は、この記事で紹介した必要書類や理由書のポイントを参考にしっかりと準備を進め、必要に応じて行政書士などの専門家に相談しながら申請に臨みましょう。

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