特定技能ビザの申請における必須条件や必要書類、手続きの流れを解説

特定技能ビザを取得するまでにいくつかの申請を行う必要があり、正しく申請できないと特定技能ビザの取得が遅くなってしまったり、最悪の場合取得できないというトラブルになってしまう恐れもあるため、申請についてはしっかりと理解しておくことが大切です。
本記事では、特定技能ビザの申請における必須条件や必要書類、手続きの流れについて詳しく解説します。
特定技能ビザを申請する必須条件

特定技能ビザを申請する必須条件は以下のとおりです。
- 技能・日本語能力が基準を満たしている
- 外国人の要件を満たしている
それぞれの必須条件について、詳しく紹介します。
①技能・日本語能力が基準を満たしている
特定技能ビザ1号を申請するためには、特定産業分野ごとに指定された技能試験と日本語検定試験(国際交流基金日本語基礎テストや日本語能力試験N4以上)の両方に合格にする必要があり、特定技能ビザ2号を申請するためには特定技能2号の技術試験に合格する必要があります。
これらの定められた基準を満たしていない場合は、特定技能ビザに申請することはできません。
②外国人の要件を満たしている
特定技能ビザを申請するためには、以下の要件を満たしていなければなりません。
- 18歳以上であること
- 技能試験および日本語試験に合格していること(免除者は除く)
- 特定技能1号で通算5年以上在留していないこと
- 保険金を徴収されていないこと
- 違約金を定める契約を締結していないこと
- 自ら負担する費用がある場合、内容を理解していること
特定技能ビザに関連する申請書類

特定技能ビザに関連する申請書類は以下のとおりです。
- 在留資格変更許可申請
- 在留資格認定証明書交付申請
- 在留期間更新許可申請
- 査証申請
それぞれの申請書類について、詳しく紹介します。
①在留資格変更許可申請
在留資格変更許可申請は、日本に滞在している外国人がすでに持っている在留カードを特定技能ビザに変更するための申請です。
在留資格変更許可申請で用意する書類などは以下のとおりです。
- 在留資格変更許可申請書:1通
- 写真:1葉
- 申請人のパスポートおよび在留カード
- その他必要書類
その他必要書類については、出入国在留管理庁ホームページの「特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧・確認表」を確認して当てはまる書類を用意しましょう。
②在留資格認定証明書交付申請
在留資格認定証明書交付申請は、新しく海外から日本に来る外国人が特定技能ビザを新規取得するための申請です。
在留資格認定証明書交付申請で用意する書類などは以下のとおりです。
- 在留資格認定証明書交付申請書:1通
- 写真:1葉
- 返信用封筒
- その他必要書類
その他必要書類については、出入国在留管理庁ホームページの「特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧・確認表」を確認して当てはまる書類を用意しましょう。
③在留期間更新許可申請
在留期間更新許可申請は、すでに特定技能ビザを取得している外国人が特定技能ビザの有効期限を更新するための申請です。
在留期間更新許可申請で用意する書類などは以下のとおりです。
- 在留期間更新許可申請書:1通
- 写真:1葉
- 申請人のパスポートおよび在留カード
- その他必要書類
その他必要書類については、出入国在留管理庁ホームページの「特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧・確認表」を確認して当てはまる書類を用意しましょう。
④査証申請
特定技能ビザは”ビザ”という言葉が使われていますが、正しくは”在留証明”であって”査証(ビザ)”ではありませんので、新しく日本に来る外国人は特定技能ビザを取得してから新しくビザを取得する必要があります。
査証申請で用意する書類などは以下のとおりです。
- 在留審査申請書
- 雇用契約に関する書類
- 能力・状況を提示するための書類
- 税金・年金・健康保険関係の書類
特定技能ビザの申請の流れ

特定技能ビザの申請の流れは以下のとおりです。
すでに日本に在留している外国人の申請方法 | 新しく海外から日本に来日する外国人の申請方法 |
STEP①:国外試験(技能・日本語)に合格する(実技実習2号を良好に修了した方は免除) STEP②:求人に申し込む/民間の職業紹介事業者によるあっせん STEP③:受入機関と雇用契約を結ぶ STEP④:在留資格変更証明書交付申請を行うSTEP⑤:在留資格変更証明書が交付されるSTEP⑥:受入れ機関で就労開始 | STEP①:国外試験(技能・日本語)に合格する(実技実習2号を良好に修了した方は免除) STEP②:求人に申し込む/民間の職業紹介事業者によるあっせん STEP③:受入機関と雇用契約を結ぶ STEP④:在留資格認定証明書交付申請を行うSTEP⑤:在留資格認定証明書が交付されるSTEP⑥:受入れ期間に在留資格認定証明書を送付する STEP⑦:査証申請を行う(在留資格認定証明書を在外公館へ提出) STEP⑧:査証発行 |
すでに日本に在留している方は、新しく査証(ビザ)を発行する必要がないため、在留資格変更証明書を交付してもらうだけで特定技能ビザに切り替えることができます。
一方で新しく日本で在留を開始する外国人の場合は在留資格認定証明傷を申請したのちに査証(ビザ)を発行してもらう必要があるため、手続きが多くなります。
特定技能ビザの申請に関するよくある質問
特定技能ビザの申請に関するよくある質問をQ&A形式で紹介します。
Q1.特定技能ビザの申請から取得までにどのくらいの期間がかかりますか?
特定技能ビザが手元に届くまで、申請からおよそ3ヶ月〜半年程度かかるケースが多いです。
そのため、特定技能ビザを申請する場合は時間に余裕を持って手続きを行うことが大切です。
Q2.特定技能ビザの申請にはどのくらいの費用がかかりますか?
特定技能ビザの申請にかかる費用のうち、弁護士や司法書士に書類作成を依頼する「申請手続き費用」などは受入れ企業が負担してくれるケースが多いため、自己負担額はほとんどありません。
詳しい費用感については受入れ企業としっかり話し合うようにしましょう。
Q3.特定技能ビザ1号と2号の違いを知りたい
特定技能ビザ1号と2号の主な違いは以下のとおりです。
特定技能ビザ1号 | 特定技能ビザ2号 | |
在留期間 | 1年を超えない範囲で法務大臣が個々の外国人について指定する期間ごとの更新、通算で上限5年まで | 3年、1年又は6か月ごとの更新 |
技能水準 | 試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除) | 試験等で確認 |
日本語能力水準 | 生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除) | 試験等での確認は不要 |
家族の帯同 | 基本的に認めない | 要件を満たせば可能(配偶者、子) |
受入れ機関・登録支援機関の支援 | 支援の対象 | 支援の対象外 |
受入れ分野 | 介護ビルクリーニング工業製品製造業建築造船・舶用工業自動車整備航空宿泊自動車運送業鉄道農業漁業飲食料品製造業外食業林業木材産業 | ビルクリーニング工業製品製造業建築造船・舶用工業自動車整備航空宿泊自動車運送業鉄道農業漁業飲食料品製造業外食業林業木材産業 |
受入れ人数(2024年12月末時点) | 283,634人 | 832人 |
(参照:「【第1表】主な国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数」/【第1表】国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能2号在留外国人数」)
まとめ
本記事では、特定技能ビザの申請における必須条件や必要書類、手続きの流れについて詳しく解説しました。
特定技能ビザを取得するためにはいくつかの申請が必要となり、申請に不備があったり忘れてしまうとトラブルになってしまうこともありますので、確実に申請できるように準備しましょう。
ぜひ本記事を参考にして特定技能ビザに関する申請についてチェックしてみてください。