在留カードがないとどうなる?不携帯の罰則や例外ケース、判例を紹介
日本で暮らす外国人にとって在留カードは生活の安心を支える大切な証明書です。
しかし「常に持ち歩かなければならない」と聞くと少し不安になる方もいるでしょう。
実は法律で厳しく定められている一方で、例外的に免除されるケースも存在します。
本記事では携帯義務の基本から例外、さらに過去の判例までを丁寧に紹介します。
在留カードには携帯義務がある

ここでは在留カードの携帯義務について解説します。
日本に在留する外国人は法律により在留カードを常に持ち歩くことが求められています。
これは本人確認や在留資格の証明を迅速に行うためであり、違反すると罰則が科される可能性があります。
①在留カードは常時携帯する必要がある
在留カードは日本に滞在する外国人にとって、身分や在留資格を証明する唯一の公的書類です。
入管法により常時携帯が義務付けられており、警察官や入管職員から提示を求められた際にはすぐに示す必要があります。
うっかり忘れたり自宅に置いたまま外出した場合でも違反となり、本人の意思に関わらず法的責任を問われる可能性があります。
日常生活で安心して過ごすためには、財布やパスポートと同じように常に持ち歩く習慣をつけることが大切です。
(出典:入管法第23条「中長期在留者は、在留カードを常時携帯しなければならない。」)
②携帯していないと罰則が課せられる可能性がある
在留カードを携帯していないことが確認されると、20万円以下の罰金が科される場合があります。
さらに提示を拒否した場合には、1年以下の懲役または20万円以下の罰金に処される可能性もあります。
これは外国人の在留資格を適正に管理するための厳格な制度であり、出入国在留管理庁も公式に注意を呼びかけています。
外国人本人が安心して生活するためには、常時携帯を徹底することが重要であり、忘れないための工夫を日常的に行うことが望ましいでしょう。
(出典:入管法第75条の2「違反者には20万円以下の罰金刑が科される。」)
③在留カードを提示拒否することも罰則になる
在留カードは常時携帯するだけでなく、警察官や入管職員から求められた際に提示する義務もあります。
携帯していても提示を拒否すると違反となり、1年以下の懲役または20万円以下の罰金が科される可能性があります。
本人確認を円滑に行うための制度であり、拒否は「協力しない姿勢」とみなされるため厳しく扱われます。安心して生活するためには、求められた際に速やかに提示することが大切です。
(出典;入管法第75条の3「提示を拒否した場合、1年以下の懲役または20万円以下の罰金が科されることもある。」)
④在留カードの不携帯は即罰則になるケースは少ない
在留カードは法律で常時携帯が義務付けられており、不携帯が確認されれば20万円以下の罰金や1年以下の懲役の対象となります。
しかし実務上は「うっかり忘れた」程度であれば即罰則に直結することは少なく、まずは事情聴取や注意で済む場合が多いと行政書士も解説しています。
ただし提示を拒否したり、繰り返し不携帯が発覚した場合には厳しく処罰される可能性が高まります。
忘れ物感覚で軽視すると、会社や学校に連絡が入るなど生活に大きな影響が及ぶため、常に携帯する習慣を持つことが安心につながります。
在留カードの携帯義務が例外的に必須でないケース

ここでは在留カードの携帯義務が例外的に必須でないケースについて説明します。
法律上は常時携帯が原則ですが、特定の状況では例外が認められています。
安心して生活するために、どのような場合が対象となるのかを理解しておくことが大切です。
①16歳未満
16歳未満の子どもは在留カードの常時携帯義務が免除されています。
これは未成年者に過度な負担をかけないための特例であり、学校や家庭での生活においても在留カードを持ち歩く必要はありません。
保護者が適切に管理することが前提となっており、本人が不携帯であっても違反にはならない仕組みです。
②交付・再交付申請中
在留カードの交付や再交付申請中は、カードそのものが手元にないため携帯義務が免除されます。
ただし代わりにパスポートや在留資格証明書、登録証明書などを持ち歩く必要があります。これらの書類が本人確認の役割を果たすため、外出時には忘れないよう注意が必要です。
申請中であっても証明書類を提示できなければ違反とみなされる可能性があります。
③手続きのための行政書士などに預けている
在留カードを行政書士などに手続きのため預けている場合も例外に含まれます。
本人が不携帯状態に置かれないよう、コピーを携帯することが望ましく、行政書士から預かり証を受け取っておくと安心です。
これにより職務質問などの場面でも説明が可能となり、違反とされるリスクを避けられます。証明できる書類を持ち歩くことが重要です。
④特別永住者
特別永住者は在留カードの常時携帯義務が課されていません。
これは歴史的背景や法的地位に基づく特例であり、他の在留資格とは異なる扱いです。
本人確認が必要な場面では住民票や運転免許証などで対応できるため、日常生活において不便は少ないでしょう。
特別永住者証明書は交付されますが、常時携帯の義務はなく、一般の外国人とは異なる制度設計となっています。
在留カード不携帯で違反になった判例5選

ここでは在留カードや旅券の不携帯が違反として扱われた判例を5つ紹介します。
過去の裁判例を知ることで、携帯義務の重要性や法的な位置づけを理解できます。
実際の事例を通じて、どのような状況で処罰が科されるのかを確認していきましょう。
①最高裁昭和28年3月5日判決(外国人登録証携帯義務違反事件)
外国人が外国人登録証を持たずに職務質問を受け、摘発された事件です。
本人は悪意がなく単なる過失だと弁解しましたが、最高裁は故意や過失を問わず不携帯は違反と判断しました。常時携帯義務は厳格に適用されるべきとされ、有罪判決が下されました。
この判例は現在の在留カード制度においても携帯義務の根拠として引用され続けています。
②1998年 富山地裁事案(中国人女性の外国人登録証不携帯)
オーバーステイ状態の中国人女性がクラブで働いていた際に警察の捜査で逮捕された事件です。
外国人登録証と旅券の不携帯が嫌疑とされ、弁護士が任意提出しましたが裁判所は違反を認定しました。
不法残留や風俗営業違反と併せて摘発されるケースで、不携帯違反が付随的に適用された例です。
外国人登録証の不携帯が単独でも処罰対象となることを示した事案でした。
③2015年 東京地裁事案(訪日外国人がパスポートをホテルに置いたまま外出)
訪日外国人がパスポートをホテルに置いたまま外出し、路上で職務質問を受け現行犯逮捕された事件です。
入管法第23条に基づき旅券携帯義務違反として摘発され、罰則は10万円以下の罰金となりました。
軽微事件扱いではあるものの、現行犯逮捕は適法とされました。
旅行者であっても旅券を常時携帯しなければならないことを示す重要な判例です。
④佐賀県警によるパスポート不携帯事件(2024年報道事例)
ベトナム国籍の男性がパスポートを紛失したまま再発行せず生活していたところ、職務質問で逮捕された事件です。
入管法第70条の2に基づき旅券不携帯として摘発され、罰金刑が科されました。
本人は数か月前に紛失したと供述しましたが、再発行を怠ったことが問題視されました。
在留カードと同様に現物を常時携帯していないことが処罰対象になることを再確認させる事例です。
⑤横浜地裁令和6年4月25日判決
フィリピン人留学生が行政書士事務所にパスポートを預けたまま労働契約を結ばされた事件です。
裁判所はパスポート不携帯状態を強制する契約は違法と判断し、契約を無効としました。
雇用者が本人の意思に関わらず在留カードやパスポートを預かる行為は違法であることを示した重要な判例です。
外国人本人が不携帯状態に置かれること自体が法的問題になることを明確にした事案でした。
在留カードの不携帯に関するよくある質問(FAQ)
ここでは在留カードの不携帯に関して、読者から寄せられることが多い質問をまとめました。法律上の義務や実際の取り扱いについて理解を深めることで、安心して生活するための参考になります。
在留カードを不携帯だと通報されますか?
在留カードを持たずに外出している場合、職務質問などで発覚すると通報や摘発につながる可能性があります。特に警察官や入管職員から提示を求められた際に示せないと違反とされることがあります。
在留カードは提示拒否できますか?
在留カードの提示を拒否することはできません。法律で提示義務が定められているため、拒否すると懲役や罰金の対象となる場合があります。本人確認を円滑に行うためにも、求められた際には速やかに提示することが重要です。
外国人に在留カードがないとどうなりますか?
在留カードを持たない外国人は日本での在留資格を証明できない状態になります。これは不法滞在とみなされる可能性があり、強制退去や処罰の対象となることがあります。適切な在留資格を持ち、カードを受け取ることが必要です。
在留カードを紛失した場合はどうすればいいですか?
在留カードを紛失した場合は速やかに再交付の申請を行う必要があります。申請中はパスポートや在留資格証明書を携帯することで本人確認が可能です。紛失を放置すると不携帯違反に問われる可能性があるため注意が必要です。
在留カードのコピーでも大丈夫ですか?
原則として在留カードの原本を携帯する必要があります。ただし行政書士に預けている場合などはコピーや預かり証で対応できるケースがあります。状況によっては認められないこともあるため、原本を持ち歩くことが最も安全です。
まとめ
ここでは在留カードの携帯義務とその例外、さらに不携帯による判例やよくある質問について解説しました。
日本に滞在する外国人にとって在留カードは身分証明の中心であり、常時携帯が原則です。
違反すると罰則が科される可能性があり、過去の判例からもその厳格さが確認できます。一方で16歳未満や特別永住者など例外的に義務が免除されるケースも存在します。
安心して生活するためには、制度の仕組みを理解し、必要な書類を常に携帯することが大切です。
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