【在留カードの住所変更】必要書類、特例、14日過ぎた場合の罰則対策
在留カードは、日本に中長期的に在留する外国人の身分と在留資格を証明する重要書類であり、住居地に変更が生じた際は、市区町村の役所へ届出る法的義務があります。
この住所変更の手続きは、新しい住所に移った日から14日以内に必要な申請であり、適正な在留管理のために不可欠です。
正当な理由なくこの期間を過ぎて届出を怠った場合、外国人本人が過料などの罰則の対象となるリスクがあります。
本記事では、在留カードの住所変更に必要な書類や市役所での手続きの流れ、永住者の特例、そして期限超過時の具体的な対処法を詳細に解説します。
在留カードの住所変更(居住地の届出)の法的義務と基本

在留カードを持つ外国人が日本国内で住所を移す場合、その住居地の変更手続きは、在留カードに関する法律で厳しく定められています。
これは、外国人の住民登録情報と在留資格情報の一致を保つために必要な届出です。
① 在留カードの住所変更とは?市役所での届出が必要な理由とICチップに記録される情報
在留カードの住所変更は、外国人が新しい住居地に移ったことを市区町村の役所に届出る手続きです。
これは、外国人の住民登録に関する法律(住民基本台帳法)と在留カードに関する法令の両方に基づいて必要とされます。
外国人が市区町村に届出を行うと、市役所の窓口職員は、在留カードの裏面に新しい住所を記載します。
さらに、在留カードに内蔵されているICチップにも新しい住居地の情報が記録され、在留カードの変更手続きが完了します。
このICチップの情報は、外国人の住所や在留資格に関する重要なデータを保護し、在留カードの偽造を防ぐ役割を持っています。
② 変更手続きの期限(14日ルール)を過ぎた場合の罰則リスク
在留カードの住所変更手続きには、新しい住居地に移った日から14日以内という厳格な期限が定められています。
この14日以内という期限は、外国人の住民登録の正確性を保つために必要な法的義務です。
正当な理由なく住所変更の届出を怠った場合や、14日を過ぎた場合は、外国人本人に対し罰則が科せられるリスクが発生します。
罰則は過料(罰金)であり、在留資格を持つ外国人としての義務違反と見なされます。
住所変更の手続きの遅延は、将来的に在留期間更新や永住許可申請を行う際の審査で不利な評価を受ける原因ともなります。
③ 届出先はどこ?市役所・区役所での手続きと入管での手続きの違い
在留カードの住所変更に関する手続きは、原則として市区町村の役所・区役所の窓口で行われます。
外国人は、転入届出や転居届出と同時に、在留カードを市役所に提出することで住所変更手続きが完了します。
届出先は、新しく住居地となる市区町村の窓口です。
地方出入国在留管理局(入管)は、在留資格の変更や在留期間更新を行う場所であり、住所変更のみの届出は入管では受け付けていません。
ただし、在留資格の変更手続きや在留期間更新と同時に住所変更が生じた場合は、入管での手続きが必要となるケースもあります。
住所変更手続きの具体的な流れと必要書類

在留カードの住所変更手続きは、市役所・区役所の窓口で住民登録の届出と同時に行います。
本人確認書類や住民票といった必要書類を提出し、在留カードの裏面に新しい住所を記載してもらうことが主な流れです。
① 市役所・区役所での届出方法と、在留カードの住所変更に必要なもの・書類
市役所・区役所での住所変更手続きは、外国人が新しい住居地に移ってから14日以内に窓口で届出ます。
本人が在留カードとパスポートを持参し、転入届または転居届を提出することが必要です。
市役所では、届出に基づき、在留カードの裏面に新しい住所を記載し、ICチップの情報を変更手続きします。
外国人が住所変更を行う際に必要となる書類は以下の通りです。
| 必要書類 | 概要 | 備考 |
|---|---|---|
| 在留カード | 本人確認と住所変更情報の書き換えに必要な書類です。 | 本人が必ず持参する必要があります。 |
| パスポート | 本人の身分証明として必要です。 | 提出は不要ですが、提示を求められる場合があります。 |
| 転入届または転居届 | 新しい住居地の市区町村の窓口で入手します。 | 必要事項を記載し提出します。 |
| 転出届(転入の場合) | 以前の住所の市区町村で発行されます。 | 以前の住所から新しい住所へ移る場合に必要です。 |
| 印鑑(認め印) | 役所での届出に必要となる場合があります。 | 事前に市区町村に確認することが推奨されます。 |
② 在留カードの裏面への新しい住所の記載と確認方法
市役所の窓口で住所変更手続きが完了すると、在留カードの裏面に新しい住所が手書きで記載されます。
この裏面の記載が、外国人の住民登録が完了し、在留カードの情報が更新されたことの公的な証明となります。
本人は、住所の記載が正確に行われているか、市役所の窓口で在留カードを受け取る際に確認することが必要です。
記載された住所が間違っていた場合は、速やかに窓口の職員に申し出て修正してもらう必要があります。
在留カードの裏面には、過去の住所の履歴が最大3つまで記載されます。
③ 本人申請ができない場合の代理人による住所変更手続き
在留カードの住所変更手続きは、原則として外国人本人が市役所の窓口に出頭して行う手続きです。
しかし、病気やその他のやむを得ない理由で本人が手続きを行えない場合は、代理人による申請が認められています。
代理人として手続きができるのは、外国人と同一世帯の親族など、法律で定められた範囲の人物に限られます。
代理人が手続きを行う場合、本人の在留カードとパスポートに加え、代理人の本人確認書類(運転免許証など)が必要です。
さらに、代理権を証明するための委任状や、本人との関係を証明する書類の提出が必要となる場合があります。
【在留資格別】永住者・特別永住者の住所変更時の特例と注意点

在留資格を持つ外国人の中でも、永住者や特別永住者は、住所変更手続きにおいて一般の外国人と異なる特例があります。
この特例は、永住者や特別永住者の安定した在留資格を背景として設けられています。
① 永住者の在留カードの住所変更手続きは市役所のみで完結する?他の在留資格との違い
永住者の在留カードの住所変更手続きは、他の就労系在留資格を持つ外国人と同様に市区町村の役所の窓口で完結します。
永住者は在留期間更新の必要がないため、住所変更に伴って地方出入国在留管理局(入管)での申請や届出は一切必要ありません。
他の在留資格を持つ外国人は、在留資格の変更手続きや在留期間更新と同時に住所変更を届出る必要がある場合があります。
しかし、永住者は市役所で転入届や転居届を提出し、在留カードに新しい住所を記載してもらうことで、すべての手続きが完了します。
特別永住者は、在留カードではなく特別永住者証明書を所持しており、この証明書の住所変更手続きも市役所の窓口で行われます。
② 在留カードの住所が一時的にない(ホテル、居所不定など)場合の居住地の取り扱い
外国人が在留カードに記載する住所(住居地)を一時的に持たない場合、住民登録上の住所の取り扱いに注意が必要です。
在留カードを持つ外国人は、日本国内に住所を定め、市区町村に届出ることが必要です。
ホテルや一時的な居所を転々としている状態は、住民登録上の住所がない状態を指します。
原則として、外国人は「生活の拠点」となる場所を住所として定め、市役所に届出る義務があります。
もし、生活の拠点が明確でない場合は、在留資格の維持に影響を及ぼす可能性があるため、地方出入国在留管理局に相談することが必要です。
③ 在留カードの住所変更はオンライン申請は可能?利用できる手続きの現状
現在、在留カードの住所変更のみの手続きをオンラインで申請することは原則としてできません。
住所変更は、市役所の窓口で本人が在留カードを提出し、裏面への記載とICチップの情報の書き換えを行う必要があるからです。
オンラインで申請が可能なのは、主に地方出入国在留管理局で行う在留期間更新や在留資格の変更手続きの一部に限られます。
市役所の住民登録に関する届出は、本人の確認が必要であるため、窓口での手続きが必要となります。
ただし、市区町村によっては、転出届の提出はオンラインや郵送で可能な場合がありますが、転入届は在留カードの提示が必要なため窓口での手続きが必要です。
住所変更をしないとどうなる?14日過ぎたらの法的リスクと対処法

在留カードの住所変更手続きを怠ることは、外国人の在留資格に関わる重大な法令違反となります。
住所変更をしないとどうなるのか、14日過ぎたらどのような罰則リスクがあるのかを正しく理解し、適切な対処法を講じることが必要です。
① 在留カードの住所変更をしてない場合の法的リスクと罰則(過料)
在留カードの住所変更を14日以内に行わない外国人は、住居地の届出義務違反となり、罰則の対象となります。
在留カードの住所変更をしてない状態が続いた場合、外国人本人は20万円以下の過料に処される可能性があります。
この罰則は、在留カードの法令に基づくものであり、在留資格を持つ外国人の義務の履行を強く求めるものです。
また、住所変更の届出を怠った事実は、将来的に永住許可申請や在留期間更新を行う際の審査で不利な材料となります。
在留資格の活動に問題がなくても、公的な義務を怠った事実は、外国人の日本での在留に対する姿勢を疑問視される原因となります。
出入国在留管理庁「住居地の変更届出(中長期在留者)」
e-Gov 法令検索「出入国管理及び難民認定法」
② 期限(14日過ぎたら)を過ぎた場合の対処法:市役所と入管への対応
在留カードの住所変更手続きが14日過ぎたら、速やかに対処法を講じることが必要です。
まず、遅延した理由に関わらず、直ちに新しい住所を管轄する市区町村の役所の窓口に行き、転入届を提出します。
市役所の窓口では、遅延理由について質問される場合がありますが、正直に事情を説明し、届出を完了させることが最優先です。
住所変更の届出が遅延した事実をもって、直ちに罰則(過料)が科せられるわけではありません。
しかし、遅延期間が長期にわたる場合や、悪質と判断される場合は、地方出入国在留管理局(入管)から罰則に関する通知が届く可能性があります。
罰則のリスクを最小限に抑えるためには、遅延に気づいた時点で直ちに市役所での手続きを完了させることが最も適切な対処法となります。
よくある質問(FAQ)
在留カードの住所変更に関する外国人や関係者からの疑問をまとめました。
手続きに関する不明点を解消し、適切な届出を行うための必要な情報を確認してください。
住所変更の際に必要な書類はどこで取得できますか
在留カードの住所変更に必要な主要書類は、在留カードとパスポートであり、外国人本人が所持しています。
転入届や転居届といった届出書類は、新しい住所を管轄する市区町村の役所の窓口で入手できます。
以前の住所から転入する場合には、前住所の市区町村で発行された転出届の書類が必要です。
必要書類は市役所のホームページや電話で事前に確認することが推奨されます。
在留カードの住所変更は郵送でできますか
在留カードの住所変更(転入届または転居届)は、外国人本人または代理人が市役所の窓口に出頭して行うことが原則です。
これは、在留カードの裏面への新しい住所の記載と、ICチップの変更手続きを市役所の窓口で行う必要があるためです。
郵送申請は、在留カードに関する届出では原則として認められていません。
14日過ぎたらの罰則(過料)は具体的にいくらですか
住所変更の届出義務を怠り、14日過ぎたら科せられる可能性のある罰則(過料)は、最大で20万円以下と法律で定められています。
過料の具体的な金額は、地方出入国在留管理局(入管)の判断や、遅延の理由、期間によって決定されます。
過料を避けるための最良の対処法は、期限を過ぎたことに気づいた時点で、速やかに市役所での手続きを完了させることです。
在留カードを紛失している場合でも住所変更は可能ですか
在留カードを紛失している場合でも、住所変更の届出は必要です。
住所変更と同時に、地方出入国在留管理局で在留カードの再交付申請を行うことが必要となります。
市役所の窓口で転入届を提出する際、在留カードがない旨を伝え、パスポートや本人確認書類を提出することで届出は可能です。
ただし、在留カードの住所の裏面記載は、再交付された在留カードが外国人本人に発行された後に行われます。
永住者が在留カードの住所変更をしない場合のデメリットはありますか
永住者が在留カードの住所変更をしない場合でも、他の在留資格を持つ外国人と同様に、届出義務違反として罰則(過料)の対象となるリスクがあります。
最大のデメリットは、永住者として最も安定した在留資格を持っているにもかかわらず、日本の法令遵守に対する義務を怠ったと判断されることです。
この法令違反の事実は、将来的に帰化申請を行う際の審査に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
まとめ
在留カードの住所変更は、日本に在留する外国人の法的義務であり、新しい住所に移ってから14日以内に届出る必要があります。
手続きは、市区町村の役所の窓口で在留カードを提出し、裏面に新しい住所を記載してもらうことで完了します。
永住者も在留期間更新の必要はありませんが、住所変更の届出期限の遵守は他の外国人と同様に厳格に求められます。
この届出義務を怠り、14日を過ぎた場合は、最大20万円以下の過料という罰則リスクにつながるため、速やかな変更手続きが不可欠です。
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