在留資格

【例文あり】老親扶養ビザ理由書の書き方|審査官を説得するポイント

高齢の親を日本に呼び寄せたいと考えているものの、老親扶養ビザの理由書をどう書けばいいのか悩んでいる方も多いでしょう。

老親扶養ビザの申請では、理由書の内容が許可・不許可を大きく左右する重要な書類となります。

この記事では、審査官が納得する理由書の書き方や具体的な例文、避けるべきNGポイントまで詳しく解説していきます。

老親扶養ビザ(特定活動)における「理由書」の重要性

ここでは、老親扶養ビザの申請において理由書がなぜ重要なのかを解説します。

形式的な書類だけでは不許可になるケースや、審査官の着目点について見ていきましょう。

①なぜ形式的な書類だけでは不許可になるのか?

老親扶養ビザは法律で明確に定められた在留資格ではなく、人道的配慮に基づく特別な許可制度です。

そのため、申請書や戸籍謄本などの定型書類だけでは、なぜ親を日本に呼ぶ必要があるのかが伝わりません。

審査官は数多くの申請を処理する中で、一つひとつの事情を深く理解する時間的余裕がないのが現実です。

理由書という形で申請者自身が背景事情を詳しく説明しなければ、審査官は人道的配慮が必要かどうか判断できないのです。

②審査官は理由書の「どこ」を重点的に見ているか

審査官が最も注目するのは、親が本国で生活を続けることが本当に困難かどうかという点です。

具体的には、親の健康状態や年齢、本国に扶養できる親族がいるかどうかを慎重にチェックしています。

また、日本側の扶養者に十分な経済力があるか、長期的に親を支えられる体制が整っているかも重要な審査ポイントです。

理由書では、これらの要素を客観的な事実とともに論理的に説明することが求められます。

③許可・不許可を分ける「人道的配慮」の言語化

人道的配慮とは、親を日本に呼ばなければ生命や健康に重大な影響が出る状況を指します。

しかし「かわいそう」「心配」といった感情的な表現だけでは、審査官の心を動かすことはできません。

重要なのは、本国での福祉サービスが利用できない理由や、親族による支援が現実的に不可能である根拠を具体的に示すことです。

このような客観的事実を丁寧に言語化することで、初めて人道的配慮の必要性が審査官に伝わるのです。

老親扶養ビザ理由書に必ず盛り込むべき「4つの構成要素」

ここでは、理由書に必ず含めるべき4つの重要な要素について解説します。

これらの要素をしっかり盛り込むことで、説得力のある理由書を作成できます。

①1. 親の現状(高齢・病気・独居)の詳細な説明

親の年齢や健康状態を具体的な数字や医学的な用語を交えて説明することが大切です。

たとえば「80歳で糖尿病と高血圧を患っており、月に2回の通院が必要」といった具体性が求められます。

また、親が一人暮らしをしている場合は、日常生活でどのような困難があるのかを詳しく記載しましょう。

買い物や調理、服薬管理などの具体的な場面を挙げることで、親の状況がリアルに伝わります。

②2. 本国に扶養できる親族がいないことの証明

審査官は「なぜ本国の親族が面倒を見られないのか」を必ず確認します。

兄弟姉妹がいる場合は、それぞれの状況(海外在住、経済的困窮、健康問題など)を個別に説明する必要があります。

親族がいない場合でも、その事実を戸籍や公的書類で証明できることを理由書に明記しましょう。

曖昧な表現ではなく「長男は○○国に移住済み、次男は失業中で自身の生活も困窮」といった具体的な記述が効果的です。

③3. 日本側の扶養者の経済力と受け入れ態勢

扶養者である申請人の年収や貯蓄額を具体的に示し、親を長期的に支えられることを証明します。

一般的には、扶養者の年収が300万円以上あることが一つの目安とされています。

また、親が住む場所や日常的なケア体制についても、できるだけ詳しく説明しましょう。

「自宅の空き部屋を親の居室として用意し、妻が日中在宅しているため日常的なサポートが可能」といった具体性が重要です。

④4. なぜ「日本」でなければならないのかという不可欠性

本国での福祉サービスや介護施設が利用できない理由を客観的に説明する必要があります。

経済的な理由で利用できない場合は、施設費用と親の年金額を比較して説明すると説得力が増します。

また、言語や文化の違いから本国の施設では適切なケアが受けられないといった事情があれば記載しましょう。

日本でなければ親の生活や健康が維持できないという不可欠性を、論理的に組み立てることが許可への鍵となります。

【ケース別】老親扶養ビザの理由書例文

ここでは、よくある3つのケースについて理由書の例文を紹介します。

自分の状況に近い例文を参考に、実際の理由書作成に役立ててください。

①例文1: 本国の親が病気で、現地に身寄りがない場合

「私の母(75歳)は本国で一人暮らしをしておりますが、昨年糖尿病と診断され週2回の通院が必要な状態です。母は私の父が10年前に他界して以来独居しており、私は一人っ子のため本国には母を支える親族が誰もおりません。本国の公的介護サービスは都市部に限られており、母が住む地方都市では利用できる施設がないのが現状です。私は日本で安定した職に就いており年収400万円を得ているため、母を経済的に支え適切な医療を受けさせることが可能です。」

この例文では、母親の具体的な病状と独居の事実、本国でのサポート体制の欠如を明確に示しています。

また、申請人の経済力にも触れることで、日本で親を受け入れる準備が整っていることをアピールしています。

数字を使って客観性を持たせている点も、審査官の信頼を得るために重要なポイントです。

②例文2: 親が超高齢(80歳以上)で、認知機能の低下が見られる場合

「私の父(83歳)は本国で一人暮らしをしておりますが、最近物忘れが激しくなり昨年の検査で軽度認知障害と診断されました。父は服薬管理ができず、火の消し忘れなど日常生活に支障が出始めており一人での生活継続が困難な状態です。私の兄弟は全員海外に移住しており、本国には父を日常的にケアできる親族がおりません。私は日本で妻と二人暮らしをしており、妻が日中在宅しているため父の見守りや通院の付き添いなど十分なケアを提供できる環境にあります。」

超高齢と認知機能の低下という二つの要素を組み合わせることで、緊急性を強調しています。

具体的な診断名や日常生活での困難を挙げることで、抽象的な表現を避けているのがポイントです。

受け入れ側の体制も具体的に説明し、実際にケアが可能であることを示しています。

③例文3: 長年仕送りを続けてきた実績を強調して呼び寄せる場合

「私は15年前に来日して以来、毎月5万円を母(78歳)に送金し続けてきました。母は父の他界後は私の仕送りだけで生活しており、本国での年金収入はわずか月額2万円程度しかありません。最近母の健康状態が悪化し、月1回の通院に加えて介護用品の購入など出費が増えているため、本国での生活維持が困難になっています。私は日本での永住権を取得しており、年収450万円の安定収入があるため母を経済的に支え続けることができます。」

長年の仕送り実績を示すことで、申請人と親の強い結びつきと扶養の実態を証明しています。

母親の経済状況を具体的な数字で示し、日本での受け入れが必要不可欠であることを強調しています。

申請人の在留資格と収入にも触れることで、長期的な受け入れ体制が整っていることをアピールしています。

審査官の納得度を高める「説得力のある」書き方のコツ

ここでは、理由書の説得力を高めるための具体的なテクニックを紹介します。

感情論ではなく客観的な事実を中心に組み立てることが、審査官を納得させる鍵となります。

①「かわいそう」という感情論ではなく「客観的事実」を並べる

審査官は申請者の感情ではなく、客観的に判断できる事実を求めています。

「母が一人で寂しそう」ではなく「母は独居で週1回しか人と会話する機会がない」というように、観察可能な事実を記載しましょう。

医師の診断書や行政機関の証明書など、第三者が確認できる情報を理由書の中で引用することも効果的です。

数字やデータを使って状況を説明することで、感情的な訴えではなく論理的な説明として審査官に受け止められます。

②本国の福祉サービスや親族を「頼れない理由」を具体的に反論する

審査官は「本国の福祉サービスを利用すればいいのでは」という疑問を必ず持ちます。

そのため、なぜ本国のサービスが利用できないのかを、具体的な理由とともに説明する必要があります。

「施設費用が月額10万円で、親の年金3万円では到底支払えない」といった経済的根拠を示しましょう。

親族についても「兄は失業中で自分の生活も困窮している」など、個別の事情を詳しく説明することが重要です。

③日本での具体的な生活スケジュールと介護プランを提示する

親を日本に呼んだ後の生活を具体的にイメージできるように説明しましょう。

「平日は妻が在宅して食事の準備や服薬管理を行い、週末は私が通院に付き添う」といった具体的なプランを示します。

住居についても「自宅の2階に親専用の部屋を用意し、バリアフリー改修も完了している」など詳細に記載すると効果的です。

将来的に介護が必要になった場合の計画も含めることで、長期的な受け入れ体制が整っていることをアピールできます。

理由書とセットで提出すべき「証拠資料」の例

ここでは、理由書の内容を裏付けるために提出すべき証拠資料について解説します。

書面だけでなく客観的な証拠を添付することで、申請の信頼性が大きく高まります。

①医師の診断書や要介護状態がわかる書類

親の健康状態を証明するために、本国の医療機関が発行した診断書を提出しましょう。

診断書には病名だけでなく、治療の必要性や日常生活への影響についても記載されていることが望ましいです。

可能であれば、診断書を日本語に翻訳し翻訳者の署名も添えて提出すると審査がスムーズに進みます。

要介護認定書や障害者手帳など、親の状態を公的に証明する書類があれば積極的に提出してください。

②親族関係公証書(他に親族がいないことの証明)

本国に親を扶養できる親族がいないことを証明するために、親族関係公証書を取得しましょう。

この書類は本国の役所や公証役場で発行され、親の兄弟姉妹や子どもの有無を公的に証明します。

親族がいる場合でも、その親族が扶養できない理由を示す補足資料(失業証明書、海外在住証明など)を添付すると効果的です。

日本語訳を添付する際は、翻訳者の氏名と連絡先も明記しておくと審査官の信頼を得やすくなります。

③過去数年分の海外送金記録の控え

長年親を経済的に支援してきた実績を示すために、銀行の送金記録を提出しましょう。

少なくとも過去2~3年分の記録があれば、継続的な扶養の事実を証明できます。

送金記録には送金日、金額、受取人の名前が明記されているものを選んでください。

定期的に一定額を送金している記録があると、親との強い結びつきと扶養の必要性を客観的に示すことができます。

やってはいけない!理由書作成時のNGポイント

ここでは、理由書を作成する際に絶対に避けるべきポイントを紹介します。

これらのミスは不許可につながる可能性が高いので、十分注意してください。

①ネット上のテンプレートをそのまま丸写しする

インターネット上には多くの理由書テンプレートがありますが、そのまま丸写しすることは絶対に避けてください。

審査官は多くの申請書類を見ているため、テンプレートをそのまま使った書類はすぐに見抜かれてしまいます。

テンプレートは参考程度にとどめ、必ず自分の言葉で具体的な事情を説明することが大切です。

ありきたりな表現ではなく、あなたと親の個別の状況が伝わる独自の内容を心がけましょう。

②過去の申請内容や提出書類と矛盾がある

以前に他の在留資格を申請したことがある場合、その時の内容と矛盾しないよう注意が必要です。

たとえば過去の申請で「本国に兄弟がいる」と記載していたのに、今回「一人っ子」と書くのは明らかな矛盾です。

入管は過去の申請記録を保管しているため、矛盾があると信頼性が大きく損なわれます。

過去の申請内容を確認し、一貫性のある説明を心がけることが重要です。

③日本で「働かせる」「孫の世話をさせる」といった意図を出す

老親扶養ビザは親を経済的に扶養するための在留資格であり、親に労働させることは認められていません。

「親に家事を手伝ってもらう」「孫の世話を頼む」といった表現は、就労目的と誤解される可能性があります。

理由書では、親は扶養を受ける立場であり日本で就労する予定がないことを明確に示しましょう。

親の来日目的はあくまで人道的な理由であることを一貫して強調することが大切です。

【FAQ】理由書の作成に関するよくある質問

ここでは、理由書作成に関してよく寄せられる質問とその回答を紹介します。

実際に理由書を書く前の疑問を解消して、スムーズに作成を進めましょう。

①理由書の長さはどのくらい(枚数)が適切?

理由書の長さに明確な規定はありませんが、A4用紙2~3枚程度が一般的です。

短すぎると十分な説明ができず、長すぎると要点が伝わりにくくなるため、この程度の分量が適切とされています。

重要なのは枚数ではなく、必要な情報が過不足なく盛り込まれているかどうかです。

簡潔でありながら説得力のある内容を心がけ、審査官が読みやすい構成を意識しましょう。

②日本語が苦手な場合、母国語で書いてもいい?

理由書は原則として日本語で作成する必要があります。

日本語が苦手な場合は、母国語で書いた後に日本語訳を添付する方法が認められています。

その際は、翻訳が正確であることを保証するため、翻訳者の氏名と連絡先を明記しておきましょう。

可能であれば、日本語が堪能な友人や専門家に翻訳を依頼すると、より正確で自然な日本語の理由書を作成できます。

③行政書士に代筆してもらうメリットと注意点

行政書士に理由書の作成を依頼すると、法律や審査基準に沿った適切な内容に仕上げてもらえます。

専門家の視点から、どのような事実を強調すべきか、どの証拠書類が必要かなどのアドバイスも受けられます。

ただし、行政書士に依頼する場合でも、自分の状況を正確に伝えることが非常に重要です。

最終的な内容は必ず自分で確認し、事実と異なる記載がないかをチェックしてから提出しましょう。

まとめ: 理由書は「本国での生活が不可能であること」の証明書

老親扶養ビザの理由書は、親が本国で生活を続けることが困難であり、日本での扶養が不可欠であることを証明する重要な書類です。

感情的な表現ではなく客観的な事実を中心に、親の状況・本国での支援体制の欠如・日本での受け入れ態勢・不可欠性の4つを明確に説明しましょう。

この記事で紹介した例文やポイントを参考にしながら、あなたと親の個別の事情が伝わる説得力のある理由書を作成し、必要な証拠資料とともに入管に提出してください。

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